人間らしい自然なビジョンの創作プロセスである「ソースプリンシプル」
「ソースプリンシプル」とは、ピーターの言葉を借りると、「人間らしい自然なビジョンの創作プロセスを表現しているもの」となります。「ソース」とは、「自分が愛してやまないビジョンを具現化する創作活動にリスクを感じながらも、一歩を踏み出した個人」のことを意味しています。創作活動の種類によってリスクの大きさは異なります。そして、「誰もが生まれながらに人生のソースである」「誰もが『愛してやまないこと』を創作できる素質がある」ということを大前提としています。
また、ソースプリンシプルにおける「創作」の範囲は、非常に幅広く、日常のシンプルなことからビジネスにおける複雑なこと、さらには夫婦関係にまで及んでいます。実際にピーターは「日常生活で観察できるソースプリンシプルは、会社の創業などの複雑な活動にも応用できる」と言います。
ソースプリンシプルの「プリンシプル」には、「実践知であり、更新可能なものであること、そして、新しいレンズとして試してほしい」というピーターの思いが込められています。「実践知」であるため、「セオリー(理論)」という言葉ではなく、また更新可能であるため、「ナチュラルロー(自然法則)」という言葉も選ばなかった背景があります。
ピーターはソースという言葉を選んだ理由について、「自分の中の自然とのつながりを想起させてくれる」「自然の中で起きている、より雄大で、柔軟で深い、人間本来の創作活動につながるエッセンスを届けてくれる」ということを挙げています。ここには、「私たちは言葉を超えたものを感じ、受け取ることができる」という、ピーターの人間観があります。 それでは、ソースプリンシプルという新しいレンズをつけてみると、どんな風に世界が見えてくるのでしょうか? ソースプリンシプルをもう少し詳しく見ていきましょう。
誰もが生まれながらに人生の「ソース」である
「ソース“で”ある」という土台には、「誰もが『愛してやまないこと』を創作できる素質がある」という人間観があります。
この人間観に立つと、自分がソースとして創作する活動に関わってくれている仲間たちへの見方が変わっていきます。というのも、仲間たちを単にソースのビジョンの具現化に貢献する存在として感謝するだけではなく、「そもそも、仲間たちはそれぞれの唯一無二の人生を、日々創作をしながら生きている存在であることへの深い尊敬」が湧いてくるためです。「仲間たちは『愛してやまないことを生きる素質』があり、それぞれの人生の旅路の過程で、いま、自分がソースとして創作する活動に協働している」という眼差しに変わるのです。