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「データを“参考”から“ボス”にすることで、見えてくるものがある」 一休 榊×クラシコム 青木対談

『DATA is BOSS』刊行記念対談

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 データドリブン経営は、どうしたら実現できるのか? 一休・榊淳社長の初著書『DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門』の刊行を機に、経営視点の対談を実施。今回は、ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの代表、青木耕平氏を迎えた。榊氏と、本書に対して「具体的なノウハウの奥に榊さんの真摯さが透けて見える」とのコメントを寄せた青木氏が、経営視点のデータとの向き合い方と実践を語った(本記事はMarkeZineからの転載記事です)。

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「北欧、暮らしの道具店」のデータ活用の進化

榊:青木さん、お久しぶりです。

青木:ごぶさたしています。榊さんに初めてお会いしたのは4~5年前、ICC(Industry Co-Creation サミット)登壇者同士の勉強会だったと思います。当時も榊さんのお話に強く感銘を受けたのを覚えています。

榊:当時は、北欧、暮らしの道具店さんではあまりデータ分析や活用ができていない、とお聞きしたように思います。

青木:そうでした。もちろん、ECサイトとして在庫などのデータは常に見ていましたが、顧客のリアクションはデータとしてそこまで取れておらず、網羅的に見なければいけない理由もあまり感じていませんでした。榊さんのお話もきっかけになって、あれからデータ活用に本腰を入れるようになり、今では分析基盤も“ゴリゴリに”整えましたし、分析担当者もすぐ近くにいる状態になりました。

榊:すごい! 進化しましたね。

青木:今日は、まずそれを知っていただきたかったです(笑)。まさに本書にあったように、分析担当者からのボールを解釈する事業責任者の力量も必要なんだよな、と思っているところです。

 『DATA is BOSS』では改めて、榊さんの真摯な姿勢が強く印象に残りました。社長が書く本はコンセプチュアルな本も多いですが、本書には途中からデータを使ったマーケティングの実践が濃く書かれていて、榊さんらしい本だな、と。社長が、自分がやるべきことをフラットに選択することの誠実さを、強く感じられる本でした。

一休は、競合の“下位互換”サービス

青木:思考の順番のくだりも、興味深かったです。様子を見ながら何が起きているのか考えるのではなく、どういうグラフやチャートが出てくると顧客にとっていいんだろう、ひいては会社にとってプラスだろうかと考える、このステップにはなるほどと思いました。

なぜ分析してもアクションに結び付かないのか?
よくある分析と、榊氏の分析のステップの違い(本書p156より)

よくある分析のステップ

  1. データに触れる
  2. データから何がわかるのかを考える
  3. 表やグラフにしてアウトプットする
     

榊氏が実践するステップ

  1. どんな表やチャートを作れば、自社のアクションが変わるのかを考える
  2. データに触れる
  3. 表やグラフにしてアウトプットする

青木:分析基盤だけならお金と時間をかければつくれますが、やはりそこから皆が価値を引き出せるかというと、違いますよね。データは易学の占い師が使う棒のようなもので、それを見るだけでは何もわからない。

 ただ、具体的な価値の引き出し方の話は、これまであまり聞いたことがありませんでした。その具体のひとつが、根本的なセットアップが違うことなんですね。「データ自体に答えはない」とは多くの人が言うところですが、さらに奥に踏み込んで明らかにしているのが、榊さんのオリジナリティだなと思いました。

榊:よかったです。一休は在庫を持たない事業なので、北欧、暮らしの道具店さんとはその点でかなり異なっていますよね。

青木:そうですね。ただ、考え方は一緒だなと感じる部分は多かったです。たとえば「商品で差別化するのか、売り方で差別化するのか」(本書p160~)の話はまさにそうで、僕らは売り方の工夫より、商品で差別化するほうが圧倒的に大きく数字が動きます。なので、在庫の回転率やオペレーションの数字はすごく精緻に見ていますし、本書にあったように新規か既存か復帰かといった売上の源泉も把握するようになりましたが、アプリやWebの使われ方はあまり細かく追っていません。

商品で差別化するのか、売り方で差別化するのか(本書より転載)
商品で差別化するのか、売り方で差別化するのか(本書より転載)

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

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