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「データドリブン経営は“対岸の火事”ではなく、日本企業に必要な革新」 榊×石戸対談

『DATA is BOSS』刊行記念コンテンツ

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 データドリブン経営は、どうしたら実現できるのか? 一休・榊淳社長の初著書『DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータドリブン経営入門』の刊行を機に、経営視点の対談を実施。「『対岸の火事』と感じる経営者こそ必読」とコメントを寄せていただいたのは、サイバーエージェントなどIT企業、セールスフォースなど外資系企業を経て現在は小林製薬でCDOを務める石戸亮氏。榊氏と、日系メーカー企業におけるデータドリブンの課題と可能性を語り合った(本記事はMarkeZineからの転載記事です)。

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あるトークセッションの“問い”から序章が生まれた

榊:ごぶさたしています。ちょうど石戸さんも、直近で著書を出されるそうですね。CDOがテーマだと。

石戸:はい、『CDO思考 日本企業に革命を起こす行動と習慣』(ダイヤモンド社,2024年2月)というのですが、ここ数年で大手企業からは「どうしたらCDOが機能するのか」、またマーケター個人からは「日本企業の老舗で働いてみたいがチャレンジしにくい」と多くの相談を受けてきたんですね。そこで、お互いの距離が縮まることを意図して、これまでの思考をまとめました。

 なのでCDOといってもデジタルのことはさほど書いていないんです。いきなり私の話で恐縮ですが(笑)、『DATA is BOSS』も、決して“データ活用”だけの本ではないですよね。

榊:そうですね。世の中にデータ分析やデータ活用に関する書籍はたくさんあるのに、どれもがデータサイドの専門家の視点で書かれているために、経営やマーケティングなどビジネスサイドの方々に伝わらない、という課題意識がありました。結局、序章にまとめたように「データドリブンはデータの話ではなくビジネスの話」という認識がビジネスサイドにないことが大きな問題で、日本企業はそれをまず認識しないといけないと思いました。

 実はこの序章、石戸さんと一緒に登壇した、とあるトークセッションが発端なんです。

石戸:そうなんですか!

榊:「データ、分析環境、人材が整った、次に何をすれば?」という問いが挙がったのですが、そのときはうまく答えられなかったんですよね。ただ、その3つがそろっているのに成功しないケースは多い……なぜ?と考えた結果、「リーダーシップの欠如」が原因だとわかったんです。

ビジネス人材に当事者意識がないとうまく進まない(本書より転載)
ビジネス人材に当事者意識がないとうまく進まない(『DATA is BOSS』より転載)

データドリブンは「対岸の火事」ではない

石戸:序章も腑に落ちましたし、続く組織の問題の章も、実感しました。本書を通して私がまず思ったのは、タイトルや内容を聞いて「対岸の火事」だと思った経営層や、「うちはeコマースやオンラインビジネスじゃないから」と思った経営層こそ、データ部門にトスせずにご自身で読んでいただきたいということでした。この内容を認識し、実践してもらえたら、日本が元気になりそうです。

 中盤のコラム「なぜ欧米には『語れるエンジニア』が多いのか」(本書p110)で、欧米企業はトップがテクノロジーを語れる、そうじゃないと生き残れないと書かれていた点も、興味深かったです。

榊:石戸さんはITや外資系企業のバックグラウンドをお持ちだから、日本の伝統的企業が持つ危機感についても解像度高く捉えておられるのだと思います。ご自身は今のお立場から、データドリブンに対してどういった課題意識をお持ちですか?

石戸:いろいろな企業からお話を聞きますが、製造業も、一部ではなく全体が顧客データを見ながらビジネスをしないといけないと感じます。そうしないと、10年20年後には日本経済がかなりまずいことになるのでは、という危惧があります。

 まず大きな課題は、そもそも顧客データがないことです。オンラインのトランザクションがないビジネスって、実は今でも大きいですよね。日本でいちばんGDPが大きいのは製造業とサービス業で、それぞれ約20%ですが、サービス業はインターネットで大きく様相が変わったのに対し、製造業は顧客データが取れるようになったわけではありません。だからメーカーがD2Cに力を入れたりしているのだと思いますが、D2Cだとやはり部分的です。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

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