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選択したアイデアは人間中心の原則を満たしているか?

第17回

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変数を設定し、複数のプロトタイプをつくる

 プロトタイプを作る際に気をつけたいのは、「何について学びを深めたいのか、変数を事前に設定すること」だ。たとえば、仮に新しいタブレット機器をつくろうとしており、「カバンに入る適度な大きさ」を確かめたいとする。その場合は手のひらサイズ、A4サイズなど、いくつかの大きさのプロトタイプを作成する。そして、実際にカバンの中に1つ1つを入れてみることで、適切な大きさを確かめる流れになる。

 もしくは、新しい宅配サービスを考えており、仮に「場所を伝えてくれれば、たとえ道路であっても配達をすることが可能」という特徴があるとする。その際、最も学びたいことが「ユーザーはどのように自分の場所を知らせたいか」ということであれば、駅前から電話をしてみることや、Google Mapsの画像を送信するなどいくつかの連絡手段を用意することになる。

 この場合、実際にどんな料理を運ぶのか、運び方は自転車なのかバイクなのかといったことは一切考慮しなくていい。

複数のプロトタイプ図1:複数のプロトタイプを用意して確かめる

 以下の手順で変数を設定しよう。

  1. チームが既に知っているユーザーに関する知識をリストアップする(ユーザーが好む製品のサイズ/好む連絡手段など)
  2. アイデアを形にするうえで、知る必要があるがチームの誰もが核心を持てない要素をリストアップする(製品の重さ/メニューのバラエティなど)
  3. 2でリストアップした要素の中からもっとも学ぶべき必要がある項目を定める
  4. 定めた項目を検証できるプロトタイプをいくつか作る

 設定した変数に対して、必ず複数のプロトタイプを用意しよう。1つだけのプロトタイプしかなければ、ユーザーは比較することができないため、核心をついたフィードバックを得にくくなる。あまり時間をかけないで、素早くいくつかのプロトタイプをつくるようにしよう。

次のページ
ユーザーとのテストで「人間中心の原則」を維持できる

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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