今回は来年の景況感に焦点を当てて調査を行ったところ、今月日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観)において、大企業・製造業の景況感を示すDIがプラスに転じたものの、ランスタッド調査では2017年の日本国内の経済の好転、給与増への期待が揃って昨年を下回った。特に、昇給については直近5年間で最低であることが分かった。「個人消費の伸び」は景気回復の1つの要因とされるが、労働者の昇給への期待感が薄いことから、来年の国内景気への不安が残る結果となった。
・来年の自国の景気好転への期待は、グローバル平均も日本の平均も昨年同時期を下回る結果。特に日本では昨年を12%も下回る25.2%
「来年には国内の経済状況は好転していると思うか」について、グローバル平均も日本の結果も昨年より下がった。日本では昨年の37.5%を大きく下回る25.2%だった。国内では全ての年齢を通して、昨年より悪化したが、25~34歳で18%以上、55歳以上で15%以上と、大幅に下がったことが特徴的だった。
・2016年に給与増が期待できると回答した日本の労働者は20.0%で、2012年以降で最低の水準。個人消費の拡大による景気の回復に暗雲か
昇給については、昨年回復傾向にあったのが、2014年並みに下落。2012年からの5年間で最低の結果だった。年代別では、35~44歳の中堅層で微増したが、一般的に給与の伸びシロが高いと思われる18~34歳の若年層で「昇給への期待」の落ちが目立った。
景気回復を牽引する大きな要素の1つとして「個人消費の伸び」が言われるが、今回の結果では消費の元となる昇給への期待が低いことから、来年の景気回復への不安が残る。