THE NEXT DIGITAL FRONTIER?:マッキンゼーのレポートからAI投資動向を読む(2)

第7回

英語で読む最新のキーワード、AI(人工知能)に関する注目すべきレポートなどを紹介していきます。今回は、マッキンゼーが発行したAIに関するレポートの第二回です。

[公開日]

[著] 住吉敏治

[タグ] AI

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今回も、AIをテーマに、前回に続き、マッキンゼーが2017年6月に発表した「ARTIFICIAL INTELLIGENCE THE NEXT DIGITAL FRONTIER?」というリポートから、AIに関連する投資動向について紹介します。前回の記事では、巨大企業の主にR&Dを目的とした社内投資についてとりあげましたが、今回は、対外投資動向(企業による社内投資ではなく、社外のベンチャーキャピタルや、未公開株式投資会社の投資動向)について、解説されているパートがありますので、そちらの内容を抜粋して紹介します。

Makinsey Global Institute:ARTIFICIALINTELLIGENCE THE NEXT DIGITAL FRONTIER?

Source:
- 引用元PDF: ダウンロード(Makinsey Global Instituteのサイト)

記事原文(一部を抜粋)

The buzz over AI has grown loud enough to encourage venture capital and private equity firms to step up their investment in AI. Other external investors, such as angel funds and seed incubators, also are active. We estimate total annual external investment was 12 billion in 2016.

Machine learning attracted almost 60 percent of that investment, most likely because it is an enabler for so many other technologies and applications, such as robotics and speech recognition (Exhibit 2).

In addition, investors are drawn to machine learning because, as has long been the case, it is quicker and easier to install new code than to rebuild a robot or other machine that runs the software. Corporate M&A in this area is also growing fast, with a compound annual growth rate of around 80 percent from 2013 through 2016.

However, for the most part, investors are still waiting for their investments to pay off. Only 10 percent of startup companies that consider machine learning to be a core business say they generate revenue, according to PitchBook. Of those, only half report more than $50 million in revenue. Moreover, external investment remains highly concentrated geographically, dominated by a few technology hubs in the United States and China, with Europe lagging far behind.

『Makinsey Global Institute:ARTIFICIALINTELLIGENCE THE NEXT DIGITAL FRONTIER?』より

主要ポイント解説

現在の投資規模としては、前回の記事で紹介した巨大企業による主にR&Dを目的とした社内投資が大きいものの、投資ファンドなどもAIへの投資を大幅に拡大し、そのなかでは、マシーンラーニングが、他の技術のイネーブラとしても構成比が高く、全体の60%と大きな投資対象となっているのがわかります。また、アメリカや中国が中心となり、ヨーロッパは大幅に遅れているということが紹介されています。

主要ポイントに関連する英語

The buzz over AI has grown loud enough to encourage venture capital and private equity firms to step up their investment in AI. Other external investors, such as angel funds and seed incubators, also are active. We estimate total annual external investment was 12 billion in 2016.

AIに関するバズは、ベンチャーキャピタルやプライベートイクイティイーファーム(未公開株式投資会社)をAIへの投資に向かわせるに十分な大きさになってきている。エンジェルファンドやシードインキュベーターなどの投資家も同様に活発である。2016年の対外投資の合計は、80億ドルから120億ドルになると推計される。

Machine learning attracted almost 60 percent of that investment, most likely because it is an enabler for so many other technologies and applications, such as robotics and speech recognition (Exhibit 2).

マシーンラーニングの分野が、60%の投資先となっている。これは、マシーンラーニングが、ロボティックスやスピーチリコグニションといった他の多くの技術やアプリケーションのいイネーブラー(実現の鍵)となっているからと想定される。(図表 2).

In addition, investors are drawn to machine learning because, as has long been the case, it is quicker and easier to install new code than to rebuild a robot or other machine that runs the software. Corporate M&A in this area is also growing fast, with a compound annual growth rate of around 80 percent from 2013 through 2016.

それに加え、投資家がマシーンラーニングにひきこまれているのは、過去からも同様に、新しいコードをインストールするのは、ロボットやソフトを走らせている他の機械を作り直すよりもより速くて簡単だからでもある。コーポレートM&Aの分野も2013年から2016年にかけて年平均成長率が約80%と急速に拡大している。

However, for the most part, investors are still waiting for their investments to pay off. Only 10 percent of startup companies that consider machine learning to be a core business say they generate revenue, according to PitchBook. Of those, only half report more than $50 million in revenue. Moreover, external investment remains highly concentrated geographically, dominated by a few technology hubs in the United States and China, with Europe lagging far behind.

しかし、大部分の投資家は、いまだ収益化するのを待っている状態だ。PitchBook(金融情報の調査会社)によると、マシーンラーニングをコアビジネスとしているスタートアップ企業のたった10%が、収益をあげていると言っているにすぎない。なお、そのうち、5,000万ドル以上の売上を計上しているのは半分である。そのうえ、対外投資は、アメリカや中国といったテクノロージーハブとなっている地域に集中し、ヨーロッパーは大幅に出遅れている。

ビジネスに使える頻出英単語、表現解説

enabler : 実現する人
enabler は、そもそもは実現する人という意味ですが、実現や成功の鍵として、さらには企業など、人以外にも用いられます。enable(有効化)の対義語、disable(無効化)もよく出てきます。

exhibit: 図表、展示
文中にでてくると、展示や陳列といった意味で使われますが、今回のように、(Exhibit A)のように使われると、図表の意味となります。類義語でFigureやChartも使われます。

be drawn to: ひきこまれる
drawn は、draw(ひっぱる、牽引する)の過去分詞なので、be drawn toで、ひきこまれるという意味になります。

compound annual growth rate: 年平均成長率
compound annual growth rateは、CAGRと短縮されることもあります。シーエージーアールとアルファベット読みすれば間違いないでしょうが、ケイガーと読むことも多いです。(私の勤務する会社では、ケイガーしか聞いたことがないです)

pay off: 利益を生む、完済する
pay off`は、日本語にすると2つの意味があり、「利益を生む」と「負債などを完済する」となります。利益を生むの派生のニュアンスで、Your efforts have paid offのように、成果をだす、報われるという意味でも使われます。

まとめ

今回も「ARTIFICIAL INTELLIGENCE THE NEXT DIGITAL FRONTIER?」のレポート内のAIに関するベンチャーキャピタルなどの投資動向を紹介しましたが、今回抜粋した部分では、主にマシーンラーニングについての説明だけでしたが、添付の図表を読むとそのほかの分野での投資規模もわかりやすく把握でき、参考になります。次回の記事でも引き続き、当レポートのポイントを紹介していきます。

Source:
https://www.mckinsey.com/~/media/mckinsey/industries/advanced%20electronics/our%20insights/how%20artificial%20intelligence%20can%20deliver%20real%20value%20to%20companies/mgi-artificial-intelligence-discussion-paper.ashx

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