リンクアンドモチベーション、「事業と組織の関係」に関する研究結果を公開 事業特性に沿った期待形成が鍵

 リンクアンドモチベーションの研究機関モチベーションエンジニアリング研究所は、「事業と組織の関係」に関する調査を行いその結果を公開した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] タレントマネジメント エンゲージメント

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調査結果

1:全体では、職場が個別最適化しやすく、ともすると他責的傾向に陥りやすい可能性がある

 エンプロイーエンゲージメントサーベイを実施した全企業のデータを総計し、エンゲージメントファクターの各象限での出現率を算出した。出現率が40%を超えたものを図4に示した。図4から、以下の考察が得られた。

  • INTER LINK(強み)として出現しやすいエンゲージメントファクターは、「内部統合」「人的資源」「仕事内容」であった。また、全ての直属上司項目はIDLE LINE(充足)の象限に出現していた。これより、目の前の仕事や上司、同僚を含めた共に働く人に対しての満足度は高く、職場としての一体感が醸成されていると考えられる。
  • ICE BLOCK(弱み)として出現しやすいエンゲージメントファクターは、「組織風土」「制度待遇」「施設環境」「外部適応」であった。また、 「継承活動」 「会社基盤」はINK BLOT(無関心)の象限に出現していた。これより、全社の一体感、顧客への貢献実感に乏しく、設備や待遇にも満足していないと考えられる。
  • 総じて、職場の一体感は高いものの、全社顧客への意識が乏しいことから、職場が個別最適化し、ともすると他責的傾向に陥りやすい可能性がある。

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2:業界ごとに組織の強み・弱みは異なり、価値発揮単位が個人、企業のどちらかで傾向は分かれる

 帝国データバンクの業界分類に基づき企業を分類。そのうち、分析が有意となるデータ数を確保できた業界について、4eyes®Windows内での出現象限とその出現率を算出した。全体傾向と比較した際に、出現率が10%以上高いエンゲージメントファクターを抽出し、特徴として考察を行い、その結果を図5に示した。図5から、以下の考察が得られた。

  • 個の裁量権や影響度が大きい業界においては「仕事内容」が強みとして出現する一方で、「会社基盤」へは無関心傾向になる。
  • 企業規模が優位性につながりやすい業界では、「会社基盤」が比較的強みとして出現する一方で、「仕事内容」の期待度は低位に留まる傾向にある。

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3:従業員エンゲージメント向上には、満足度を高めつつ「動機づけ要因」の期待度を上げていくことが重要である。

 エンプロイーエンゲージメントサーベイを実施した企業を、高エンゲージメント企業(ER=A~AAA)と低エンゲージメント企業(ER=DD~DDD)に分類し、エンゲージメントファクターの期待度・満足度の差を算出した。その結果を差分が大きい順に図6に示した。図6から、以下の考察が得られた。

  • 高エンゲージメント企業の期待度が高く、差分が大きいエンゲージメントファクターは「事業内容」「仕事内容」といった「動機づけ要因」であり、低エンゲージメント企業の方が高いのは「制度待遇」「施設環境」といった「衛生要因」であった。
  • 満足度は総じて高エンゲージメント企業が低エンゲージメント企業よりも高く、特に差分が大きいエンゲージメントファクターは、「理念戦略」「人的資源」「事業内容」であった。
  • 以上の結果より、高エンゲージメント企業は低エンゲージメント企業と比較すると、満足度は総じて高い。一方で、「動機づけ要因」の期待度は差が大きく、「衛生要因」の期待度はあまり差がないことが分かった。従業員エンゲージメント向上には、満足度を高めつつ、「動機づけ要因」の期待度を上げていくことが重要である。

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結論

 業界ごとに組織の強み・弱みは異なり、価値発揮単位が個人、企業のどちらかで傾向は分かれる。従業員エンゲージメント向上にはこうした傾向を把握した上で、満足度を高めつつ、「動機づけ要因」の期待度を上げていくことが重要である。

 また、高エンゲージメント企業と低エンゲージメント企業の比較から、従業員エンゲージメントの向上には二つの共通要件が見られた。

 一つ目は、特定の項目に絞らず、全ての項目に対する従業員の満足度を向上させることである。従業員が十分な満足を得ていない項目の中には、設備や制度といったすぐに着手することが難しいもの、単一の組織だけでは改善は難しいものも存在する。しかしそういった項目に対しても、企業は変革の意志を示し、改善していくことが求められる。

 二つ目は、「動機づけ要因」の期待度を上げていくことである。「衛生要因」を満たすこと、言い換えれば従業員の不満を解消するだけでなく、仕事そのものや仕事を通した達成感、貢献感といった「動機づけ要因」の期待度を上げていかない限りは、高エンゲージメント企業への発展は望めないということだ。


調査概要

  • 調査対象:2015年1月~2019年7月にエンプロイーエンゲージメントサーベイを実施した757社(回答人数30人以上の企業)
  • 調査方法:帝国データバンクの業界分類に基づき企業を分類し、うち分析が有意となるデータ数を確保できた業界を抽出し、サーベイの回答結果を4eyes®Windowsで分析した。

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