この3ヶ年計画は、中国市場において、アリペイが金融サービスプラットフォームから、幅広いデジタルライフスタイルサービスを提供するオープンなエコシステムへと進化し、中国でのポジショニングを強化し続けるための重要なマイルストーン。
アント フィナンシャル サービスグループCEOのサイモン・フー(Simon Hu、胡暁明)氏は、以下のようにコメントしている。
「中国のサービス産業はデジタルトランスフォーメーション(DX)の初期段階にあり、大きなポテンシャルを秘めています。新型コロナウイルスの流行が続く中で、我々は、マーチャントがデジタル技術を利用して、事業のスピードを高めることで、急速に変化する市場環境に効果的に対応する方法を注目してきました。アリペイがワンストップのデジタル・ライフスタイルサービス・プラットフォームを構築することは、ユーザーに大きな価値をもたらすだけではなく、サービス業界のデジタルトランスフォーメーションを加速し、さらなる成長機会を引き出す上で重要な役割を果たすでしょう」
中国におけるインターネットの普及と、サービス産業のデジタルトランスフォーメーションの現状
中国互連網絡信息中心(CNNIC)によると、2019年は中国のインターネットユーザーの99.1%がモバイル端末を介してインターネットを利用したのに対し、2007年にはわずか24%であった。このようなスマートフォン利用の普及が、中国国内のサービス産業がデジタル技術を取り入れる道を開いた。
中国国家統計局によると、中国のサービス産業は2019年の中国GDP成長の59.4%に貢献している。経済にとって重要であるにもかかわらず、中国のマーチャントは依然として伝統的な実店舗販売のビジネスモデルに大きく依存している。業務効率を高め、顧客体験を向上させるためのデジタル技術を完全には取り入れていないのが現状だという。
一方、デジタル化されたサービスに対する消費者の需要は急速に拡大している。2019年だけでも、アリペイアプリ内のライフスタイルサービスの検索数は、2018年と比較して300%増加したと述べている。
「サービス開始当初から、マーチャントの成功をなくしてアリペイは成長できませんでした。したがって、私共のプラットフォームをさらに拡大し、マーチャントが消費者のニーズを効率よく見つけ、それに応えられるように支援することが、消費者により良いサービスを提供する方法です」とサイモン・フーCEOは述べている。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、アリペイが実施したマーチャント支援策
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、アリペイは、開発者のミニアプリ作成を促すインセンティブプログラムを導入。発表から1週間以内に1,200人以上の開発者が反応し、食料品の配達、医学的アドバイス、物流、公共サービスを含む181の「非接触型」サービスのミニアプリがアリペイのアプリ内に作成されたのだという。
アリペイアプリ上でアリババ傘下の生鮮食品スーパー「フーマー」のミニアプリを使ってオンライン注文することもできる
ミニアプリは、ユーザーとマーチャントとの物理的な接触を最小限に抑えながら、自宅で生活・仕事をする人々の多様なライフスタイルのニーズに応えるといった、新型コロナウイルスの影響への対処に役立っているという。例えば、アリババグループ傘下の健康分野プラットフォーム「阿里健康(AliHealth)」が提供する無料医療相談サービスのミニアプリには、1日平均70万回アクセスされているとしている。北京の食料品スタートアップ企業で農家と消費者・レストランとを結ぶサービスを提供する「美菜(Meicai)」も、アリペイユーザーが宅配サービスを利用できるミニアプリを開始。1週間で80万人以上の新規ユーザーを獲得し、中国国内の80都市から注文が入ったと述べている。
アリペイは、マーチャントに対して、決済、不正防止、資金管理、スマートマーケティング、消費者インサイト、新規顧客獲得、リテンション(既存顧客維持)、エンゲージメントなど、サービスのフルサイクルをワンストップでサポート。これらの技術製品およびサービスは、包括的な金融サービスで培ったノウハウから、開発・改良され、安全性、信頼性、パフォーマンスが備わっているという。さらにマーチャントは、アリババのエコシステム内の主要プラットフォームで実行できるアリペイのミニアプリを活用して、より広い範囲でユーザーにリーチが可能。これらの要因により、アリペイのオープンプラットフォームは、消費者とマーチャントの双方にとって、ワンストップの選択肢となっていると述べた。