これからも「出社」は必要なのか
続くテーマは「withコロナとafterコロナに『出社』は必要なのか?」。この問いに株式会社野村総合研究所 上席コンサルタント 榊原 渉氏、株式会社ABCash Technologies 代表取締役社長 児玉 隆洋氏らが回答した。
榊原氏:コロナ禍によってやむを得ず在宅勤務制度を始めた企業でも「意外とできた」というのが共通認識ではないでしょうか。一方で、ノンバーバル(非言語的)なコミュニケーションや新人教育などの側面から、テレワークの限界も見えたはずです。特に『インプットをするための場』としてオフィスに足を運ぶことの意義が問われています。それらの機能を追求することが、これからのオフィスに求められていくのではないでしょうか。
児玉氏:当社の場合、社員のほとんどが20代です。中でもミレニアル世代は“誰と仕事をしているか”を重視する傾向にあり、そのことからもリアルなオフィスは絶対に必要だと思います。従来のリアルオフィスから、リモート×出社のハイブリッド型のようなフレキシブルオフィスへの転換が必要になるのではないでしょうか。
最後のテーマは「3年後はどのような環境で働いていると思うか?」というもの。これは以下の選択肢で視聴者にも問いかけられた。
- A:従来のオフィスのみ
- B:従来オフィス + 在宅
- C:従来オフィス + 在宅+サードプレイス(フレキシブルオフィス含む)
- D:フレキシブルオフィスのみ
- E:フレキシブルオフィス+ 在宅
- F:在宅のみ
回答者のおよそ半数がCの「従来オフィス+在宅+サードプレイス(フレキシブルオフィス含む)」を選択した。パネリストはそれに同調する。
久良木氏:特にプロジェクトベースの仕事が多い欧米企業では、大勢のフリーランスやインディペンデントコントラクター(独立請負人)と案件を進める機会が増えています。そうしたところでは、成果を確実に上げるためのコミュニケーション手段として、サードプレイスを上手に活用しています。アジア圏でのサードプレイス活用は発展途上な部分があり、選択肢を増やしていくことが必要でしょう。
児玉氏:先ほどの続きにもなりますが、今20代がリアルなオフィスでどのようなコミュニケーションを取っているかというと、それは仕事以外のことだったりします。仕事だけではないコミュニケーションによって会社のロイヤルティーが高まり、『会社が好き』という感情も芽生え、結果的に生産性も上がる。その面においても、サードプレイスやフレキシブルオフィスは利便性が高いと考えています。