フードシェアリングサービス「TABETE」」は、2018年4月29日のサービス開始から約1年4カ月が経過した2020年9月3日に、登録ユーザー数が30万人を突破したことを発表。首都圏・地方都市を中心に利用者が増加している。
またTABETEを通じてレスキューされた食事の数は、2020年8月までで累計5万食(約2万5000kg相当)に。特に、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年4月~5月はユーザー数、レスキュー食数ともに大きく増加したとしている。
■緊急事態宣言期間中、「TABETE」では出品数・レスキュー数(購入数)ともに倍増
TABETEのユーザー数が30万人に到達した2020年は、コロナウイルス感染症の影響で人々の生活スタイルや消費の仕方に大きな変化が起こっている年。TABETEでは4月7日〜5月25日の49日間で、それ以前の時期と比べて約2.3倍の数の出品があったのだという。また、同期間でのレスキュー数(購入数)はそれ以前の時期と比べて約2.2倍にのぼった。
緊急事態宣言が発令された同時期には、「支援消費」(後述)の需要が高まるとともに、それ以上に飲食事業者からの供給が増加したと考えられるとしている。
■「支援消費」の増加
TABETEユーザーを対象に実施したアンケートでは、ユーザーの半数以上が「新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて余っています」と説明されている食材や食品を購入したことがあると回答。その購入理由を尋ねる質問では、「支援の気持ちで」という趣旨の回答が目立つほか「もったいないから」という理由も多く見られた。
出荷先の減っている生産者、在庫を抱える事業者などの困っているひとたちの助けになりたいという気持ちで商品を購入する「支援消費」が増加していることがあきらかになった。
アンケート結果全体から
「新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて余っています」と説明されている食材や食品を購入したことのある回答者に対して、その購入理由を自由記述してもらった内容を分析。購入理由には5つの要素が見受けられたとしている。
- お得感:安くお得に購入したい
- 支援:生産者や事業者、社会を応援したい
- 良品:良い品、いま必要な品を購入したい
- エンターテイメント:コロナ前とはちがう買い物の仕方を楽しみたい(地方のものが新たに通販に出回るなど)
- もったいない:フードロスとなる品物を購入したい
支援の気持ちを込めて購入を検討し、価格設定や商品の品質に納得がいけば購入するケースが多いと推測される。また「食品ロス削減につながるような買い方のほうが良い」という考えが購入を後押ししていることも見てとれる。
購入理由について「外食の機会が減った分、各地の名産品を取り寄せて楽しむために購入した」といった趣旨の回答も見られ、外出・外食の機会が少なくなり、持ち帰りや通販といった中食(なかしょく)に食のエンターテイメント性を求める声があることもわかった。
フードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」
「TABETE」は、飲食店や販売店に存在する“まだ安全に美味しく食べられるのに捨てざるをえない状況にある食事”を美味しくお得に購入することによって「レスキュー」できるサービス。完全な対策が難しいと言われる飲食店や惣菜店での食品ロス削減に寄与する仕組みが特長。
サービスの拡大を通じて、「想い」を込めて準備した食事を無駄にせず同時にユーザー「食」の選択肢を多様にする「これからの新しい食のあり方」を提案。
これまで20〜40代の働く女性を中心とした約30万人のユーザー・飲食店や惣菜店を中心とした約1350店舗にご登録いただき、累計で約5万食の食品ロス削減に成功した。
「フードロス削減」は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標であるSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の目標12「持続可能な消費と生産」(つくる責任つかう責任)の一環としても位置づけられており、日本政府(SDGs推進本部)が掲げる「SDGs実施方針」優先課題としても「食品廃棄物の削減や活用」の一環として「食品ロス削減=フードロス削減」が位置づけられている。