従業員のデジタルへの習熟度が「個人の幸せ」に影響を与える
2020年末からの新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、2021年に入ると政府や自治体より緊急事態宣言の再発令を通じてテレワーク実施が改めて要請されました。企業側も出退勤時の感染リスク防止の観点からテレワークを推進し、従業員の「身体的な安全」確保の動きを強めています。昨今の企業では、こうした従業員の「身体的な安全」に加えて、「心理的な安全」(サイコロジカルセーフティ)も重視するようになっています。
心理的な安全を実現するためには、従業員の不安やストレスのない職場環境が求められます。一方、テレワーク下においては、従業員が相互に信頼や承認をしあえるコミュニケーションやコラボレーションが難しくなります。そのため、これまで以上に従業員のストレスに対して向き合う必要があるのです。
2020年8月にWalkMeと日経BPコンサルティング社共同でテレワークにおけるデジタル利用の実態調査(有効回答数658人)を行ったところ、従業員の「デジタルの習熟度」と「個人の幸せ」(ワークライフバランスやストレス)に関して興味深い結果が出ました。
デジタルへの苦手意識を持っている従業員(習熟していない)は、デジタルを得意としている従業員(習熟している)と比較して下記の結果となっています。
- 個人の業務生産性が向上したと感じている割合が低い(23%)
- 個人の業務生産性が低下したと感じている割合が高い(30%)
- ワークライフバランスが改善したと感じている割合が低い(56%)
- 仕事から受けるストレスが増加したと感じている割合が高い(28%)
デジタルの習熟度が業務生産性の高低に影響を与えていることは想像に容易ですが、それに加えてワークライフバランスやストレスなど「個人の幸せ」にも影響を与えていることが理解できます。