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サステナブル・ラボ、非財務/SDGsデータをスコア化したオンラインデータバンク「テラスト」開始

 サステナブル・ラボは、AI技術を活用して企業や都道府県の非財務/SDGsデータを分析し、誰もが目で見てわかるようにスコア化したオンラインデータバンク「テラスト」を開始した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] AI・機械学習 企業戦略 ESG SGDs サステナビリティ・トランスフォーメーション

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「テラスト」とは

 テラストは上場企業約2,000社&47都道府県の非財務データをシステムで抽出し、AI(機械学習)が企業の従業員規模や経済規模などを勘案した上で比較処理、リアルタイムに分析。それらのデータをもとに有識者・専門家と協議の上、具体的に強みなどをスコア化するもの。

 これまで「強さ(経済性、財務情報)」だけでしか判断できなかった世の中を、「優しさ(環境社会貢献度、ESG、SDGsなど)」でも判断できるように、様々な非財務情報を可視化し、ランキング形式で分かりやすく情報を発信する新しい情報プラットフォームだという。また、「経済力でナンバー1を競う」から「多面的に社会や環境へ貢献するオンリー1を目指す」への価値観の変革を促すため、あらゆる角度でファクトを眺められる設計になっているという。

 サステナブル・ラボが開発したテラストは、2019年12月から試験的に運用してきた企業のSDGsスコア調査・分析サービス「ESGテラスト」の正式リリース版で、企業や都道府県の環境社会貢献度をスコア化(数値化)した一般向けサイトとなる。テラストの名称には、「terra(地球)」と「照らす人」という意味が込められている。

「テラスト」の活用例(使い方)

 テラストは企業・都道府県の様々な非財務データをランキング形式でまとめている。「企業や都道府県のESG/SDGs情報を簡単に取得したいけど、どこにアクセスすればいいかわからない」、「データは見つかったけど、何を確認すればいいのか、ポイントはどこなのかが不明」、「データの見方はわかったけど、次のステップは何だろう?どうやって動き出せばいいの?」というような悩みを、テラストが解決するとしている。

テラストの活用例1 投資家|ESG投資を加速する比較検討資料として活用

 企業の財務情報だけでは判断できない、企業の持続性や長期的な収益性、また社会インパクト創出を図るため、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の要素を考慮して企業価値を評価するESG投資が注目されている。テラストの企業ランキングや診断ページはAIを活用し非属人的な手法で分析・スコアリングしているため、客観的な情報として非財務情報の比較検討、スクリーニング等に活用できるという。

テラストの活用例2 ビジネスパーソン|取引先企業の最新動向チェック

 テラストはテーマ別&業種別で上場企業2,000社の詳しい情報を一覧でチェックできる。企業の診断ページでは各企業のサステナビリティスコアを表示し、同業種平均との差も掲載しているため、取引先の選定やサプライチェーン・マネジメントへの活用をはじめ、営業先の動向を収集したり、顧客企業の長期課題をいち早く見つけて提案活動に活かしたりと、様々なビジネスシーンで活用が可能だとしている。

テラストの活用例3 就活生・転職者|エントリー企業の情報収集に

 「働き甲斐・働きやすさ」や「ダイバーシティ」など就活生・転職者が注目したい項目の企業ランキングをチェックできる。売上高や利益など経済的な影響力の大きさだけで企業選びをする時代から、環境や社会に対して良い影響を生む企業が求められる時代に変化している今、持続可能な企業選びをサポートする。

テラストの活用例4 消費者|商品・サービス購入時のモノサシとして

 消費者として生活購入品やサービスを選ぶ際、価格の安さやサービスの便利さだけではなく、その商品を提供する企業が環境に優しい経営をしているのか、従業員の労働慣行にも配慮しているのかなどを重視したいと考える人が増えている。すべての企業のホームページをチェックして比較することは現実的ではなく、テラストの企業ランキングなら、ひと目で企業の社会貢献度などを把握することが可能。

テラストの活用例5 移住者|引越し先の情報収集

 テラストは47都道府県の各種データを分析し、SDGs17個のゴール別にランキングを掲載。移住(引越し)を検討する際にテラストを活用すれば、教育面や健康・福祉面など住む前に知っておきたいポイントを他県と比較することができ、知人の評判やネットの口コミだけに頼らない客観的な情報として参考になり、また今まで知らなかった魅力的な地域の発見も期待できると述べている。

信頼性が高いサステナブル・ラボのSDGs(非財務)スコアリング

  • 複数のグローバルスタンダード(IIRC、GRI、SASBほか)に準拠した1,000を超える指標群がベース
  • 企業の開示資料、第三者の公開資料等から広く情報を抽出し、AIを活用した数理処理により非属人的かつ説明可能なモデルで評価(非ブラックボックス)
  • 環境省採択事業(グリーンファイナンススキーム構築)の枠組みの中で最適化
  • ESG投資研究の第一人者である加藤康之氏(京都大学客員教授)、格付け研究者である坂井豊貴氏(慶應義塾大学経済学部教授)等、最先端学識者の知見に基づき最適化
  • 大手データベンダーや大手メディアとの提携を拡大中

サステナブル・ラボのパートナーシップ

 サステナブル・ラボはSDGsのGOAL17「パートナーシップで目標を達成しよう」の実現に向け、様々な企業・団体様と連携しながら「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」を進めている。

  • 環境ビジネス(株式会社日本ビジネス出版)との連携: 環境業界の総合メディアである環境ビジネス社と「テラスト」プラットフォームを共同構築・運営し、SDGs/ESGの見える化と改善を推進していくことで 日本企業のSDGs/ESG価値の向上に貢献する。
  • Forbes JAPANに掲載:リンクタイズ株式会社が発行するグローバルビジネス誌「Forbes JAPAN」2021年2月号(2020/12/25発売)にて、コロナ禍で活躍し、未来をけん引する可能性が大きい企業について、非財務データによる解説記事を寄稿。
  • Discover Japanとの業務提携:株式会社ディスカバー・ジャパンが運営する雑誌・デジタルメディア等のコンテンツと「テラスト」が連携し、ディスカバー・ジャパン社の制作する地域のコンテンツに、サステナブル・ラボが独自分析したSDGsデータを紐づけたSDGs視点の解説コンテンツを提供。同時に、地域特性に合わせたSDGs解説セミナー・コンサルティングを実施し、SDGsの切り口から日本文化や各地域の魅力を再発見する機会創出、新たな地域価値創造の創出に貢献する。
  • 株式会社プロネクサスとの連携:企業のディスクロージャー・IRの実務サポート専門企業であるプロネクサス社と連携し、財務面と非財務面の因果を明らかにした開示情報の作成に挑戦し、日本企業の良さを世界の投資家に伝えるとともに長期価値の創造に貢献する。
  • 東京金融賞:2020年10月、東京都主催の東京金融賞「金融イノベーション部門」支援プログラム参加事業者に選定。
  • MUFG Digital アクセラレータへの参加:2021年1月、株式会社三菱 UFJ フィナンシャル・グループ、株式会社三菱UFJ銀行が主催する「MUFG Digitalアクセラレータ」プログラム第5期企業として選出。SDGsファイナンスモデルにおける協業を策定中。
  • 京都大学ESG研究会との連携:ESGの本質の構造的探索を目的としている「京都大学ESG研究会」の設立(2019年12月)当初からサポートパートナーを務め、「ポストコロナ社会における企業価値の探索」研究プロジェクトへも協力企業として参画。
  • 最先端学識者との連携:ESG投資研究の第一人者である加藤康之氏(京都大学客員教授)に社外取締役として、また株式会社エコノミクスデザインとの提携を通し、2021年2月以降はレーティング研究など社会的選択理論の研究者として著名な坂井豊貴氏(慶應義塾大学経済学部教授)、統計科学・データサイエンス等の研究者として著名な星野崇宏氏(慶應義塾大学経済学部教授)に顧問として参加頂くことで、最先端学識を踏まえたサステナブル・ラボの非財務データサイエンスの追求を推し進める。

サステナビリティ・トランスフォーメーションを促進する非財務ビッグデータ集団

 昨今、企業経営を取り巻く環境変化の不確実性が一段と高まり、サステナビリティへの要請が高まっている。それに伴い、経済的利益の追求を最優先する時代から、経済・社会・環境のバランスを追求する時代へと世の中もビジネスもアップデートしはじめている。

 その一方で、国連が制定した「SDGs(持続可能な開発目標)」が広まるにつれて、ブランディングやマーケティング目的でSDGsのロゴやサステナビリティ要素を利用する商品やサービスも増えているため、顧客や消費者は印象論で判断せざるを得ないケースや実態を把握しづらい状況が散見される。

 サステナブル・ラボは、非財務ビッグデータの専門家集団として「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」の加速に向けて専門家からのアドバイスや知見をインプットしながら、非財務データバンクを日々アップデートしている。そのデータを活用し、目立たないけれども環境・社会利益を多く生み出している企業や自治体に光を照らすこと、また、企業や自治体が、真に経済利益と環境・社会利益の創出を両立できる社会の実現を目指している。

サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)

 2020年8月28日に経済産業省が発表した「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会 中間取りまとめ」の中で提言された経営のあり方・投資家との対話のあり方。「企業のサステナビリティ(企業の稼ぐ力)」と「社会のサステナビリティ(将来的な社会の姿や持続可能性)」を同期化させた上で、企業と投資家の対話において双方が前提としている時間軸を長期に引き延ばすことの重要性を説いている。