Kyoto Roboticsは、2000年の創業以来、ロジスティクス・製造現場の完全自動化をめざして、人間と同じように物体を3次元ビジョンで「認識」し、AIを活用した制御システムで「考えて、運ぶ」ティーチングレス・マスターレスの知能ロボットシステムの開発を行ってきたスタートアップ企業。
知能ロボットを支える独自開発技術として、「目」の役割をする高度な画像処理技術をベースとした3次元ビジョンシステムは、99.99%の物体認識率を誇り、「脳」の役割をする高精度な積み付けアルゴリズムやモーションプランニングのAI技術は、さまざまな荷姿や積載状態に対応したロボット制御を可能にしている。
日立は、Kyoto Roboticsの買収によって高度な知能ロボットシステムの技術・ノウハウを獲得することにより、ロジスティクス・FA分野の自動化ライン全体に対してロボットSIをワンストップかつスピーディーに提供可能となる。それによって、日立グループが提供するロボットSIのさらなる高付加価値化が図れるとしている。
具体的には、物流センターにおいて、入出荷時のデパレタイズとパレタイズの自動化にKyoto Roboticsの知能ロボットシステムを適用したロボットSIを提供するとともに、日立インダストリアルプロダクツ製の小型無人搬送ロボット「Racrew」や搬送設備も含めて自動化ラインをトータルで提供していく。さらに、これらを倉庫制御システム(WCS)や倉庫管理システム(WMS)と連係させることで、プロダクト、OT、ITを組み合わせた、現場から経営までが一貫してつながる物流センターの高度化ソリューションを提供していく。
また、FA向けには、日立グループが提供するロボットSIに、Kyoto Roboticsの知能ロボットシステムを組み合わせた自動化ラインを提供していく。
日立グループでは今後、Kyoto Roboticsの知能ロボットシステムと日立が有するロボティクス分野の高度な研究開発の技術・リソースを融合し、データを活用したロボットSI事業のさらなる高付加価値化を図るという。そして、Lumadaを活用して経営と現場、サプライチェーンを含めたバリューチェーン全体最適化をめざすトータルシームレスソリューションを提供することで、顧客の経営視点での事業価値の最大化を図っていくとしている。