今回開発をおこなっている基盤技術は、国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、JST)の戦略的創造研究推進事業「さきがけ」による研究成果として生み出された。また、社会実験は情報通信研究機構(以下、NICT)の委託研究「データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第3回)」の一環として実施する。
この基盤は、複数のイメージセンサ(LiDARやカメラ)から取得したデータを統合した広範囲に渡るデータを、ブロックチェーンによってリアルタイムに保護した状態で共有できるようにし、AIによる予測検知や、自律制御のためのデータ共有などへ応用可能にしたもの。屋外では自動車や、ロボット、ドローンの自律移動における制御への応用、屋内では犯罪・事故・三密の予測検知への応用が期待されるという。
開発は、主として京大、エクサウィザーズ、ガイアックスが行っており、2020年3月まで研究室レベルの開発を進めていた。このうちガイアックスは、ブロックチェーン技術および、クラウド技術を使ったデータ共有基盤を担当しているという。
この基盤で扱う、AIへの学習データや、事故予測といった、改ざんが発生すると事故につながる領域において、ブロックチェーンを使いリアルタイムにデータの正しさを担保することによって、改ざん耐性を持たせている。また、一般的にブロックチェーンはリアルタイムな処理について苦手としているが、独自のアグリゲーション技術を開発し、最小限の遅延で改ざん耐性をもたせることの実現を目指している。
今後の社会実験では、エリアを増やしながら、データの利活用の検討から産業化へ向けて、産学共同での研究・開発を進めていくとしている。