変化の担い手を見つける
組織全体で持続的な変化を推進するために、D&Aの実務担当者はまず、変化への要望を表明しているビジネス・リーダーを特定する必要がある。
これにより、実務担当者はそうした変化の担い手と協力して、「組織のアナリティクス能力」と「目指すビジネス成果」の関連性を示す共通のビジョンを策定することができる。D&Aリーダーは、売り上げ、コスト、リスク、イノベーションの観点で話をすることで、「組織のアナリティクス能力」と「目指すビジネス成果」を関連付け、データが企業価値を生み出す未来へとビジネス・リーダーを奮起させることができる。
適応力のあるシステムを構築する
大きな変化の中でビジネスを成功させるには、テクノロジの成熟が重要になる。D&Aリーダーは、現時点のみならず、将来にわたって価値をもたらすよう進化するシステムへの投資を優先する必要がある。
Gartnerは、組織が無理なく変化に適用するのを助けるテクノロジとして、以下の4つを挙げている。
- データ・ファブリック:データ統合を補助および自動化する
- グラフ・テクノロジ:データ間の複雑なつながりを特定し、理解できるようにする
- 敵対的生成ネットワーク:シミュレーションを用いて、プロセスの改善点を明確にする
- GPT-3:深層学習を用いた言語処理モデルで、自然なテキストを生成する
意思決定の在り方を見直す
Gartnerの最新の調査において、意思決定を下す上で最初に取るアプローチはデータを利用することであると回答した人は半数未満だった。D&Aリーダーは、以下のように意思決定の在り方を見直すことで、D&Aがもたらす影響を組織全体に広げ、組織におけるどの意思決定においてもデータが一翼を担うようにすることができるという。
- プロジェクト計画や予算要求など、意思決定を行う正式なプロセスにデータ分析で得られる洞察を活用する余地を探す
- イニシアティブが成功または失敗する理由について仮説を立て、その仮説の妥当性を裏付けるデータを調べる
- 組織内で影響力のある人物に対して、チームで使用可能なデータ・ポイントや可視化機能を提供し、データ活用を働き掛ける
- データの成功事例を組織全体で広く共有し、データ・ドリブンな組織文化を推進する