大成建設は、施設内で稼働する様々なロボットの運用や建物設備との連携を一元管理するロボット統合管制プラットフォーム「RoboHUB」を開発した。同技術の適用により、異なるメーカーの様々な機能を有するロボットを同時に接触なく稼働させ、建物設備との連携などが可能になるという。
同プラットフォームの主な機能は以下のとおり(図1参照)。
1.ロボットと建物設備との統合接続による連携
ロボットの制御システムとエレベータ、自動ドア、ナースコールなどの建物設備を統合接続により連携することで、施設管理者はロボットと建物設備を一元管理することが可能となる。
2.ロボットの稼働状況を可視化
ロボットの位置やアラート発生状況を把握し、施設内における全てのロボットの稼働状況を一元的に管理し可視化することが可能。
3.ロボットの走行を管理
異なるメーカーのロボットの同時走行を管理し、交差点・狭隘な廊下などの優先走行管理やエレベータとの連携が可能である。
4.災害時の緊急停止
自動火災報知器や地震速報などの建物から得られる緊急時の情報を取得し、ロボットが人の避難の障害物にならない場所で緊急停止する。
5.データ分析による効率的なロボット利用などを提案
ロボットの稼働データを分析し、施設管理者が効率的なロボットの利用や建物設備運用などを検討できるツールを提供する。
![図1 「RoboHUB」の主な5つの機能<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/7673/7673_01.jpg)
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また同社は、同プラットフォームを用いて、同社の保有施設での稼働状況を可視化し(図2参照)、複数のサービスロボットの走行管理と建物設備との連携を検証した。その結果、異なるメーカーのロボットが同時に施設内で稼働できることを確認でき、本プラットフォームの有効性が実証できたという。
![図2 「RoboHUB」のロボット稼働状況画面<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/7673/7673_02.jpg)
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同社は、2023年1月より複数の病院で同プラットフォームによるサービスを提供し、生産性の向上と人手不足の解消を目指す。また、利用者や建物設備との連携を図りながら、ロボットが円滑に稼働できる環境作りと各種サービスによる新たな価値の創出に向けて取り組んでいくとしている。