日本電気通信システム(以下、NEC通信システム)は、家畜の健康を重視したアニマルウェルフェアの向上と、畜産効率化の両立をDX技術で実現するサービス「NECアニマルウェルフェアソリューション」を2023年秋から提供開始する。
同サービスは、畜産業界の労力軽減や生産性向上といった従来からの課題解決にとどまらず、アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼育から社会全体への普及浸透までの課題を抽出し、DX技術で実現することを目指すという。家畜の個体位置、個体に紐づく飼育状況や行動履歴のデータ化、OIE:World Organization for Animal Health(国際獣疫事務局)が定めたアニマルウェルフェアの基準に沿った飼育がされているかの自動的な評価が可能になり、管理上の負担を増やさずに飼育環境を快適にし、安全な食の提供を達成するとしている。
サービスの概要は以下のとおり。
家畜の飼育状況などをセンサで把握し、畜産の現場を軽労化
畜舎に設置したカメラやセンサで個体情報を取得し、情報参照や遠隔管理を可能とする。アニマルウェルフェア視点に立った飼育状況の管理、見える化を図り、家畜の行動を把握。飼育作業の負担軽減、生産性の維持・向上を支援するという。
収集データに基づきアニマルウェルフェア評価基準への適合を自動的に評価
収集した飼育履歴、個体情報管理データからアニマルウェルフェア評価項目を抽出し、評価基準に適合しているかの判定を自動的に行う。これにより畜産物のブランディングを後押しするとともに、安全性、倫理性に対する意識の高い消費者に対しての商品購入への動機づけを支援するとしている。
家畜の飼育状況・環境を記録管理し、消費者に届くまでの流通経路すべてで、信頼性が担保された畜産物を見える化
ブロックチェーン技術を使い畜産物のトレーサビリティを担保するスマートコントラクトを提供することで、データ流通をオープンにし、利害関係のあるサプライチェーンにおいても平等性を確保し信頼性を担保する。消費者に対して生産者の飼養の取り組みを正しく伝えることができ、畜産物の価値向上につながるという。
NEC通信システムは今後、同サービスの第1弾として、飼育畜舎内を自由に動き回る豚の個体識別や、アニマルウェルフェア視点での飼育状況や行動履歴をデータ化し遠隔で管理可能とするソリューションを提供するとしている。