ディー・エヌ・エーの子会社であるアルムは、帝人と共同で、脳血管内治療計画プログラムと電子タグシステム(RFID:Radio Frequency Identification)を活用した次世代医療サプライチェーンの実証試験を開始した。
同実証試験は、脳血管内治療に携わる医療現場における治療の質向上と、医療資源のロス削減を実現するための取り組み。アルムは、AIを用いたICT技術により、治療計画と治療デバイスを提案するプログラムを構築し、帝人はRFID技術を用いて治療デバイスの過剰や欠品を防止する在庫管理体制を整備し、このシステムの実効性を確認する。まずは、脳動脈瘤治療の治療計画およびデバイス選定プロセスをAIで最適化・平準化し、治療の質の底上げを図るという。
また、プログラムで提案された治療計画をもとに、治療で用いる可能性のあるデバイスの情報を事前に関係者へ共有することで、最適なデバイスを、最適量で流通させる次世代医療サプライチェーンを構築することを目指すとしている。
同サプライチェーンでは、帝人が展開する電子タグ(RFID)システム「Recoシリーズ」を活用。実証試験では、RFIDタグが密集する狭いスペースにおけるピッキング作業での正確なタグの読み取りが可能となる技術や、使用済みのデバイスに貼付されたRFIDタグを読み取って即時に在庫情報へ反映させる「RecoFinder」を用いる。
なお、両社は、2024年12月までに実証試験を完了し、2025年頃までに社会実装することを目指すという。