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グローバル・ブレインが語る、医療・ヘルスケア領域の最新トレンド──投資先事例と投資におけるポイント

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 少子高齢化が急速に進む日本では、医療やヘルスケアが喫緊の課題だ。しかし、テクノロジーの進化や規制の緩和により、そこに新たなビジネスチャンスが生まれている。課題の解決に挑むスタートアップも増加しているという。この潮流をVCはどのように見ており、どのような点に注目しているのか。今回は、独立系VCのグローバル・ブレインが2022年12月に開催したGlobal Brain Alliance Forumより、グローバル・ブレイン パートナーの守口毅氏、同社 ディレクターの阪川洋一と西山友加里氏による「医療・ヘルスケア領域の最新トレンド」セッションの様子をお届けする。なお、本セッションのモデレーターは同社 ディレクターの重富渚氏が務めた。

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ヘルスケア、医療機器、創薬領域の注目トレンド

 最初に、それぞれが担当する領域における注目トレンドを紹介した。

 西山氏が担当するヘルスケア領域は、「健康」「医療」「介護」「子育て」など幅広いテーマを内包している。「健康」「医療」の中にも「健康増進」「予防・未病」「治療」「予後」などのフェーズがあり、それぞれにトレンドがあるのだという。その中で西山氏が注目しているのが「オンライン調剤」だ。オンライン服薬指導が解禁されたり、これまで紙で運用されてきた処方箋が2023年1月26日からは電子処方箋の運用も開始されるようになったりと、大きな動きが出てきている。2022年9月にはアマゾンが処方薬のネット販売に参入するという報道も出ていることから、ヘルスケア領域の中でも特に注目されているテーマとして紹介した。

 医療機器投資を担当する阪川氏は、「治療機器」「デジタルセラピューティクス」を注目領域として紹介した。治験を経て承認されるかどうかでその後の展開が大きく異なる「治療機器」は、そこさえクリアできれば大きな成長が見込まれるという意味で、スタートアップ投資に適した領域なのだという。一方の「デジタルセラピューティクス」は、スマートフォンやタブレット端末のアプリを治療に用いることとして知られている。そこにIoT機器なども組み合わせることで、より高い治療効果が期待されていることから、阪川氏はこの領域を注目していると話す。

 薬学の研究者として基礎研究を行ってきた経歴を持つ守口氏は、担当するバイオテクノロジーや創薬の注目トレンドについて、技術とスタートアップクリエーションの2軸で紹介した。

 1つ目の技術軸として、創薬の領域で登場しているテクノロジーからトレンドを解説する。「量子化学技術」や「クライオ電子顕微鏡」といった最新のテクノロジーが既存の医薬品に参入しており、巨大市場にイノベーションを起こそうとしているという。また、「腸内細菌」を用いた創薬、DNAやRNAを利用する「核酸創薬」、遺伝子改変ツールのクリスパー・キャスナインが2020年にノーベル化学賞を受賞したことでも知られる「ゲノム編集」など、これまでになかった新たな創薬の手法が生まれつつあり、大きなポテンシャルを秘めているのも特徴だと話す。

 2つ目のスタートアップクリエーションとして、VCによる医薬品領域の直接参入が増えていることを紹介した。米国のVCであるフラッグシップ・パイオニアリングがモデルナなど様々な企業を立ち上げているように、グローバルでは、VCによるスタートアップ創業がトレンドとなっている。また、国内VCが日本企業の技術を海外の投資家や経営者とつなぎ合わせたりする役割を担うようになっており、日本でもスタートアップクリエーションの流れは進むだろうと守口氏は語った。

 パートナー 守口毅氏
グローバル・ブレイン株式会社 パートナー 守口毅氏

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梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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