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Siri共同設立者アダム・チェイヤー氏が語る、パラダイムシフトの歴史とAIによる変革の未来

Sansan Innovation Summit 2023レポート

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 人工知能(AI)は社会とビジネスに大きな変革をもたらしている。最新のAIは大学入試から専門的な試験まで、人間と高度に競い合えるレベルになり、あらゆる物事について推論する能力を持つようになった。そんな状況下で、実際に何を手掛かりに自社の事業を変革していけばいいのだろうか。Sansan株式会社は10月、最先端のビジネス情報やイノベーションにつながるヒントを紹介する、ユーザー向けカンファレンス「Sansan Innovation Summit 2023」を開催した。そのイベントから今回は、Siriの共同設立者 アダム・チェイヤー氏による「AIとデータ活用でもたらす企業と社会の変革」をテーマにした講演内容を紹介する。

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パラダイムシフトは「10+n年」ごとに起きる

 アダム・チェイヤー氏はSiri共同設立者だ。SiriはAppleに買収される前に、アプリとして発表された。そのアプリを見たApple共同創業者のスティーブ・ウォズニアックは大絶賛、スティーブ・ジョブズは1ヵ月間毎日熱心に電話をかけて口説き落とし、そしてiPhoneに組み込まれたという経緯がある。買収後、スティーブ・ジョブズはハイテク・メディア業界イベント「All Things Digital」に登壇した際、「なぜSiriという音声検索の会社を買収したのか?」と聞かれたという。するとスティーブ・ジョブズは「Siriは検索の会社ではなく、AIの会社だ」と答えた。2010年のことだ。その当時は、誰も意味がわからなかっただろうとチェイヤー氏は振り返る。

 そんなチェイヤー氏は、パラダイムシフトの予測をしてきた。曰く「パラダイムシフトは10+n年ごとに起きる」。1984年にマウスとWindowsが誕生して、本格的に人々がコンピュータを使うようになった。そこから10+1年後の1995年には、Windows95発売をきっかけとしてWebが多くの人々に使われるようになった。さらにその10+2年後の2007年にはiPhoneが誕生。翌年にはApple Storeが生まれ、人々がモバイルを使う世界になった。そこから10+3年の2021年にも何かが起こるとチェイヤー氏は予測していたという。少し誤差はあるが、実際に2022年11月30日にはChatGPTが公開されている。

 チェイヤー氏がここで指摘したのは、これらのパラダイムシフトを起こすようなものは、まったく何もないところからそれまでのものを一掃する形で誕生したわけではないということだ。あくまでも、最初のものを補完する形で進化をしてきている。Webが生まれたことによってコンピュータは他のコンピュータのリソースを使うことができるようになり、モバイルが生まれたことによって移動しながらコンピュータが使えるようになり、音声アシストができたことで車や食洗機など、様々なものを声で指示できるようになった。既にあるものを組み合わせて技術進化を続けることで、パラダイムシフトが起こるのだ。

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フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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