経営や投資の基本である「コスト対リターン」。しかし、KPIや社内政治という打算に縛られた現代の組織は、マックス・ヴェーバーが予言した「鉄の檻」と化している。AIが「目的関数」に基づいて効率よく最適解を導き出すこれからの時代、人間に求められるのは、そうした打算を捨て去りプロセスそのものに没頭する「フローの境地」だ。本記事では、大谷翔平や安藤忠雄の姿から、結果というエゴを超越して「神々と踊る」領域を考察。AIには不可能な「目的の消失」にこそ宿る、大企業ミドルが真の精神の自由を手にするための成功法則を紐解く。
ビジネス・投資・経営に共通する「成功の条件」
ネット広告運用者の中には、FX(外国為替取引)や株式の信用取引、先物・オプション取引などのトレーディングを得意とするものがいる。その中には、年間億単位の収益をあげ、プロとして成功している人も少なくない。また、Googleなどのプラットフォーマーや広告代理店で経験を積んだ後、独立起業して成功している人も多い。
ネット広告の運用を「トレーディングデスク」と呼ぶように、広告運用とトレーダーの業務の基本はまったく同じ。「コスト対リターン」である。コスト管理を徹底し、パフォーマンスを高めていく。対象が広告効果なのか、お金の運用実績なのか、その違いだけだ。そして、その延長線上で、経営者としても成功する。企業経営の本質も、コストを管理して利益を増やすことであり、基本はまったく同じだからだ。
独立したプロのネット広告運用者、プロのFXトレーダー、独立起業した経営者(大企業のサラリーマン経営者とは一線を画する)と意見交換をしてきて学んだことは、「コスト対リターン」というビジネスの基本だけではなく、「幸せに成功する条件」も共通しているということだ。
私はネット広告業界に属してきたため、私の人脈の中には、ネット広告運用が好きで、それが高じて独立し、プロになった人たちが多い。自分の仕事が心から好きで、楽しんでいる。朝から晩まで運用しても飽きない。これは、お金の運用も同じだ。自分の好きな仕事で起業・成功した人も、仕事はもちろん、人生そのものを楽しんでいると言っていい。
好きなことを仕事にする。そして、仕事を楽しむ。
まず、それが譲れない第一条件だろう。翻って、大企業でくすぶっているマネジメント層はどうだろうか。日々の業務や会議、社内調整を心から楽しめているだろうか。
そして、できる限り節約しコストを抑え、その上でリターン(広告効果・売上・利益など)を増やすこと。この「コスト対リターン」の精神を魂に刻むことが、第二条件だ。
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