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どん底からGoogle・Microsoftへ。SQを高める「ポジティブな現実逃避」という人生戦略

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 19歳での凄惨な交通事故による後遺症、重度のPTSD、そしてアルコール依存症。生きる意味すら喪失したどん底から這い上がり、GoogleやMicrosoftで働くまでに至った筆者。人生を真に動かしてきたのは、前向きに夢を「引き寄せる力」ではなく、過酷な現実を「拒絶する力(斥力)」だった。本記事では、ただ無意識に逃げ続ける「ポジティブな現実逃避」がいかにして潜在意識を書き換え、道を切り拓くのかを紐解く。過去のデータから最適解を導くAIに、絶望からの反発力は計算できない。人間にしか生み出せない価値である「SQ(精神的知性)」を高め、ビジネスと人生を好転させるための戦略をお届けする。

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人生を動かすのは「引き寄せる力」より「斥力」だ

 「思考は現実化する」「引き寄せの法則」という言葉がある。私は、それとは逆の「引き寄せない力」「反発力」というものがあると実感している。「引き寄せる力」ではなく「拒絶する力」、「引力」ではなく「斥力」というものが、人生において強く働いていると思うのだ。

 AI時代の成功法則。その基本に「SQ(Spiritual Quotient:精神的知性)」があるとこの連載で論じてきた。IQ(知能指数)でもEQ(感情的知能指数)でもなく、SQの領域こそが人生を左右する力であり、過去のデータから最適解を出すAIが絶対に辿り着けない領域だ。そして、このSQを高める一つの手段が、「拒絶する力」「斥力」によって潜在意識を書き換え、固定観念を更新していくプロセスである。

 「思考は現実化する」「引き寄せの法則」などでは、強く思うこと、強い願いが現実を変えて夢を実現するという。だが、そんな前向きな希望や夢ではなく、ただ一貫して「現実逃避」すること、つまり、現実を「拒絶する力」、その「反発力」「斥力」で「潜在意識」を書き換えて、徐々に現実が変わっていくこともある。あるいは、「ネガティブな現実逃避」と「ポジティブな現実逃避」というものがあるように思っている。

 たとえば、イーロン・マスクはいじめられっ子だったらしい。松下幸之助は幼少期に極貧を経験している。その不幸な現実への「反発力」「斥力」こそが、成功への真のエネルギーなのではないか?

19歳の事故とPTSD。生きる意味を喪失した絶望

 あれは19歳の夏だった。タンクローリーが後ろから衝突し、私の身体の上を走り去っていった。人生が激変した交通事故。私は原付バイク。相手は石油を運ぶタンクローリーだった。その車体の下に引きずり込まれる。そして、大きなタイヤが私の身体の上を通り越していく。その瞬間の映像が、いまだに、私の脳裏に焼きついている。もう35年以上も前のことだ。今でも、後遺症が残っている。

 泣き言を書くつもりはない。何らかの病、不運な出来事、生まれつきの障害、不幸な境遇、人によってそれぞれあるだろう。だが、前を向いて一歩一歩生きていく。その姿勢を継続できれば、必ず道は開ける。どん底から這い上がり、振り返って笑い話にできる。自分の体験から、今日は、そんな話を書きたいと思っている。

 交通事故から1ヵ月ほど経ったある日、その悪夢は始まった。入院中の病院から外出許可が出た。そのため、友人がドライブに連れ出してくれた。車椅子から友人の車に乗り換えたときの胸躍る気持ちは忘れない。「やっと、外の空気が吸える」と私は喜んでいた。そして、市街をドライブしている最中、たまたま、その友人の車の横を大型トラックが通過した。その瞬間、事故の映像が私の脳裏にフラッシュバックした。その映像は繰り返し襲ってくる。そして、心臓の鼓動が激しくなり手足が小刻みに震えた。気づけば滝のような汗でシャツが濡れている。PTSDという悪夢の始まりだった。

 何のために生きるのか? 歩くこともできず、排泄まで看護師に依存する生活。そして、フラッシュバックに苦しむ日々。私の精神は徐々に崩壊していった。

 意味の喪失。生きる意味だけではなくすべての意味を感じなくなった。世界から色が消え、モノトーンの中にいた。

 宇宙の存在に意味などない。病室は5階の窓側、そのベランダに車椅子で行った。飛び降りる決意をし、星の綺麗な深夜、ベランダでなんとか立ち上がった。だが、次の瞬間、絶望することになる。私は、ベランダの塀を乗り越えることができない。健常者なら普通に飛び越えられる高さ。しかし、自分の両脚では車椅子から立つのがやっと、それ以上の動作ができない。苦笑いとはこのことだった。「死ぬことすらできないのか」。無力感に拍車がかかり、と同時に、自分を冷ややかに笑った。

 退院後も歩けない日々。毎日、リハビリ。一歩一歩、歩行練習をする。だが、フラッシュバック、PTSD、アルコールで現実逃避、そして、自殺願望だけが増幅されていく。1年ほどで歩けるようになったが、数ヵ月おきぐらいの間隔で発作的にフラッシュバック~自殺未遂というパターンを繰り返す。

 本当のアルコール依存症は、アルコールで胃壁が破れ血反吐が出るまで酒を浴びる。部屋の畳が嘔吐物と血液でドロドロに汚れ、それでも震える手でウイスキーをラッパ飲みする。そして、血塗れたまま気を失って眠りにつく。外出すると、駅のホームから線路に飛び込みたくなる。歩道を歩くと車が通り過ぎるたびにフラッシュバックを誘発する。だから、PTSDの症状がひどいときは、1ヵ月以上もアパートから外に出なかった。そんな学生時代で、大学1年の取得単位数はゼロ単位だった。

 30代前半までは慢性的にそんな状況で、GoogleやMicrosoftで働くなんて夢にも思っていなかった。そもそも夢や希望などなかった。就職活動も転職活動もしたことがない。やりたいことなどなかった。ただ、生きることが苦しい。こんなにしんどいなら死んでしまいたい。無色透明になりたい。この世から消えてなくなりたい。私の底流には、いつも、そんな思いがあった。

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どん底の「逃走」からGoogle・Microsoftへ

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ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

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