AIには不可能な「目的の消失」と人間の未来
私自身の約30年の社会人経験の中で、広告運用を通じて学んだことは、FXや先物取引などお金のトレーディングにも役立つし、独立起業し経営管理するのにも応用できる。
第一条件は、好きなことを仕事にして、それを楽しむこと。そして、その「コスト対リターン」を高めていくことが、第二条件だ。第三条件は、アメリカで跋扈する「精神のない専門人、心情のない享楽人」と距離を置くこと、つまり、謙虚・誠実を心がけること。第四条件は、執着を捨ててお金を循環させること。あるいは、「フロー」を意識することだと言い換えてもいい。
この「フロー」状態は、結果として、リスクを背にすること、結果がすべてであること、フィールド・インディペンデントであること、さらに、楽しくて無我夢中になること、そして神々と踊ることをともなう。その結果、目的を超越した状態になる。つまり、AIには不可能な領域に突入するのだ。
なぜ「神々とのダンス」がAIに不可能な領域なのか。
AIの計算には必ず「目的関数(最適化のゴール)」が必要だ。つまり、「効率よく成功するため」「評価されるため」という、いわば「文明人のエゴ」のシステムである。大企業でくすぶるマネジメント層が抱える閉塞感の正体も、まさにここにある。会社のKPIや社内政治という「他人が決めた目的関数」に自分を最適化しようとするあまり、魂が死んでいくのだ。
しかし、人間が魂に従い、時間を忘れて没頭する「神々とのダンス(フロー状態)」の本質は、目的の消失にある。たとえば、以下のように対比できる。
- AI(あるいは組織に縛られた人間): 「失敗しないよう効率化し、評価(勝率)を最大化する」(エゴ・打算)
- 大谷翔平(神々とのダンス): 「ただ、野球が楽しくて仕方がない。白球を追う瞬間、自分が消える」(無我夢中・魂の解放)
安藤忠雄氏が「光の下にいることではなく、無我夢中の時間の中にこそ人生の充実がある」と語ったように、人間が「結果という打算」を捨て、ただそのプロセスそのものに命を完全燃焼させているとき、そこには「AIには絶対に計算不可能なノイズ(=神秘的な熱量と創造性)」が生まれる。AIがどれほど完璧な数式を提示しようとも、魂を震わせる建築や、世界を熱狂させるスーパープレイは、この「神々とのダンス」の領域からしか生まれないのだ。
「Dances with Wolves」「安藤忠雄の光」「大谷翔平の没頭」などの補助線が「AI時代の成功法則」の核心にある。大企業という「鉄の檻」の中で、AIのように「目的関数」に最適化して生きるのか。それとも、結果がすべてというリスクを背負いながらも、自らの魂の赴くままに、好きな領域で「神々と踊る」のか。そこに人類の未来がある。AI時代には、この「神々と踊る」覚悟こそが重要になってくる。



