ITベンチャー黎明期から「人と組織」を見てきた
── まずは加藤さんにお話をうかがいます。インテリジェンスから、テンプホールディングス、そしてこのたびパーソルグループとして新たなスタートを切られました。これまでのご経験についてお話ください。
加藤:2017年7月からテンプホールディングスはパーソルホールディングスに社名を変え、それにともないテンプスタッフはパーソルテンプスタッフに、インテリジェンスはパーソルキャリアに社名を変更しました。
僕自身は、インテリジェンスに入ったのが、1998年です。その頃はインテリジェンスもまだ上場前で80人ぐらいの時代。その後2000年に上場して35000人になりましたが、スタートアップからの成長を経験してきたといえます。もともと学生援護会を買収したインテリジェンスは、その後USENグループになり、リーマンショックの後ファンドの傘下になり、テンプスタッフのグループになった。そして今回、インテリジェンスとテンプスタッフという大きな2つのブランドがパーソルというひとつのブランドになりました。今はパーソルグループのオープンイノベーションの特攻隊長という立場です。
── 一貫して人材の領域のビジネスをされてきたんですね。
加藤:2001年頃に、今のHRテックの先駆けのような中小企業向けのペイロール(給与計算業務)の会社を買収したりしたこともありました。派遣や人材紹介など、HR系の仕事は一通りやってビジネス構造を理解したんです。確信をもったのは、インテリジェンスが2002年に初めて増収減益になり、自分たちのビジネスのバリューを再構築してビジョンを作るプロジェクトが出来て、自分もそこに参加した時です。その時に出来たビジョンが「人と組織を多様な形で結ぶインフラとしての人材サービスを提供し社会発展に貢献する」というもの。けっこう長いですよね(笑)。自分でもそのビジョンでやっていこうと決意しました。グループ企業を含め、8社ぐらい経験していますが、一貫して「組織を変える」という点で共通しています。
── サイバーエージェントの藤田社長などは同時期ですか?
加藤:藤田さんは私が入社した頃はサイバーエージェントとして独立されていました。インテリジェンスが出資していたのでお会いする機会はありましたが、上場は向こうの方が数ヶ月先でした。その頃は、ITバブルがあって、その後崩壊という大変な時期でしたね。
── そうした人材とITのビジネスを続けてきたお立場から、最近のHRテックはどのように見えますか?
加藤:人事の領域ではHRM(人材管理システム)やタレントマネジメントなどが、2000年代の前半ぐらいから、企業システムとして導入が進みました。今の日本企業の人事システムの多くが、その時代のUI/UXを使い続けていて、まだまだ昔のままです。その分これからの成長が見込めると考えています。
── アメリカのHRテックはいつ頃から始まったのでしょうか?
加藤:2012年頃が大きな転換点だったと記憶します。タレントマネジメントのタレオがオラクルに買収され、SAPもSuccessfactorsを買収しました。Workdayが上場し、米国ではエンタープライズ系のHCMやタレントマネジメントのサービスが一気に成長しました。その後、クラウドの普及もありスタートアップやベンチャーが生まれてきました。日本でも人事の世界でのベンチャーはこれから伸びるだろうと思い、「Temp Innovation Fund」として人材領域のベンチャーに投資してきました。
宮田さんの会社については、すでにスタートアップのピッチイベントでは有名でしたから「すごい会社だな」と思っていました。VCとしてHR系のいろんな会社に投資してきて、SmartHRの前身のKUFUを見た時はピンときたんですね。