渋谷未来デザインは、渋谷に集う多様な人々のアイデアや才能を、領域を越えて収集し、オープンイノベーションにより社会的課題の解決策と可能性をデザインする本格的な産官学民連携組織。行政機関だけではなく、多様な主体(個人、企業、学校など)が今までにない仕組みで共創するイノベーションのハブをめざすという。
4月25日に「東京カルチャーカルチャー」で開かれた会見で、同法人の小泉秀樹代表理事(東京大学教授)、渋谷区長 長谷部健氏が以下のように挨拶した。
「様々な主体が連携したまちづくりプロジェクトを実施し、最先端のテクノロジーの社会実証実験などもおこなっていく。また『ササ・ハタ・ハツ』(笹塚、幡ヶ谷。初台)などの拠点の住民とも協力し、パブリックスペースも巻き込み空間の価値を高めるためのデザインコンペなどもおこなっていく。」(小泉秀樹氏)
「課題解決は行政単体では難しい。待機児童、保育、観光客と住民交流など民間とつながることで解決を目指すとともに、渋谷区がクリエイティブやエンターテイメントなどの文化を発信していく。」(渋谷区長 長谷部健氏)
会見では、事業を推進する「フューチャーデザイナー」と呼ばれるアドバイザーの夏野剛氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究所特別招へい教授)、林千晶氏(ロフトワーク社長)、佐藤夏生氏(EVERY DAY IS THE DAY共同代表)、金山淳吾氏(渋谷区観光協会理事長)を交えたパネルディスカッションがおこなわれ、以下のような意見が交わされた。
「渋谷という街の多様な場所が、多様にからんで世界に発信していく毛細血管のデザインがくる。」(林千晶氏)
「課題解決よりも未来のビジョンを提示することからスタートすることが重要。」(佐藤夏生氏)
「テクノロジーから社会のデザインを考える。渋谷のカオス、乱雑さは魅力。テクノロジーを適用していくことでますます面白くなる。」(夏野剛氏)
また東急電鉄、NTTドコモ、ソニー、アカツキなど参画パートナー企業からメッセージも紹介された。
事業内容
(1) 都市の体験デザイン
創造文化都市を実現するための制度設計提案・推進、最先端技術活用構想策定及び実証実験等により都市の付加価値向上に寄与する事業を実施
(2) 都市の空間価値デザイン
コミュニティ強化や都市生活の活性化に有効なパブリックスペースの利活用及びビッグデータ活用に向けたワークショップ・研究事業を実施し、プロジェクトに反映
(3) 市民共創の事業デザイン
市民発意・実施のプロジェクトを実現するための総合支援事業及び、ダイバーシティ&インクルージョンを推進するためのフラッグシップイベントを企画・実施
(4) 都市のブランドデザイン
社会課題解決及びシティブランド向上に繋がるパブリックスペースを活用したイベント事業及び、渋谷シティプライドを醸成する渋谷区公認のお土産等のライツマネジメント事業を推進
(5) 都市間・大学連携事業デザイン
渋谷の発信力を活かし、強い日本を作る渋谷をハブとした学校連携や都市間連携のあり方を研究し、連携する学校や他都市ブランドと渋谷ブランド価値が共に向上する事業を展開し、国内外に発信
渋谷未来デザインのパートナー(4月25日現在)
□参画パートナー(15社)
渋谷区
(以下、五十音順)
株式会社アカツキ、株式会社NTTドコモ、京王電鉄株式会社、株式会社シブヤテレビジョン、ソニー株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社デジタルガレージ、東京急行電鉄株式会社、東急不動産株式会社、株式会社日建設計、株式会社パルコ、株式会社バンダイナムコホールディングス、株式会社みずほ銀行、レノボ・ジャパン株式会社
□協力パートナー(4社)
株式会社AOI Pro.、株式会社エッジ・オブ、日本マイクロソフト株式会社、一般財団法人渋谷区観光協会