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日本の労働者はAIを不安がり、スキル習得意欲も低い──アクセンチュアが警告

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アクセンチュアはグローバルで雇用・働き方の意識についての調ビジネスパーソンに対しておこなった。それによると、海外の労働者に比べ、日本はAIに対して漠然とした不安をもっているが、AIに向けたスキルの習得の取り組みも遅れていることが判明した。

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アクセンチュア株式会社 デジタルコンサルティング本部 マネジング・ディレクター保科学世氏
戦略コンサルティング本部人事・組織管理 マネジング・ディレクター宇佐美潤祐氏

アクセンチュアは世界でのテクノロジーのトレンドや社会の変化、人々の働き方の意識などについて定期的に調査をし、レポートを発信している。(Accenture Technology Vision 2018インダストリーX.0

今回は、2017年9月〜11月に各国の経営者、労働者を対象にしたAIと働き方に関する調査「雇用・働き方の未来」の内容の報告がおこなわれた。

2018年5月28日におこなわれた記者向けの発表会は、六本木にあるアクセンチュアの「Accenture Innovation Hub Tokyo」でおこなわれ、アクセンチュアの宇佐美潤祐氏と保科学世氏が説明をおこなった。

アクセンチュアの定義ではAIを広義に捉え、以下の3つの技術を包含する「インテリジェントテクノロジー」と定義している。

  • コグニティブテクノロジー:自然言語を理解し、質問に対して回答をおこなう技術
  • アナリティクス:高速度なキャプチャ、検出、分析をおこなうことで膨大で多種多様なデータから、経済的に価値を抽出する技術とアーキテクチャ
  • ロボティクス:ロボットの設計、構築、実装、運用に関する技術

アクセンチュアによると、ホワイトカラーの業務の自動化、効率化をおこなう「RPA」(Robotic Process Automation)も「インテリジェントテクノロジー」ということになる。

アクセンチュアでは、昨今問題になる「AIが人間の労働を奪う」という見方に対しては否定的で、「人間とAIが協働する」というポジティブな考え方を前提にしている。

最新の調査では、AIとの協働により2022年には38%の収益拡大、10%の雇用増加が見込まれるという。

特に、今後生産年齢人口が劇的に減少する日本においては、AI化は非常にポジティブな影響をもたらすことを宇佐美氏は強調した。
超少子高齢化により2030年に約900万人の労働力が不足する日本においては特に、AIとの協働は不可欠になる。しかし今回の調査で判明したのは、日本の労働者の課題だ。経営者、労働者ともにAIの重要性は認めつつも不安を覚えている。

今回の調査では、日本において多くの労働が、AIに対して漠然とした不安を持っており、スキル習得などの意識の面でも遅れていることが判明した。

労働者の25%はAIが自分の仕事にどう影響を及ぼすかのイメージを持てていない。さらにAIに対してポジティブなイメージではなく、漠然とした不安を抱いている。

下の図では横軸にAIのスキル習得に取り組んだ人の割合、縦軸にスキルの重要性の認識となる。日本が右上の世界各国に比べても大きく離れている。

アクセンチュアとしては、こうした結果を踏まえて、企業として社会課題に即した教育機会やコンテンツの提供を提唱する。

保科氏は、「統計や数学、プログラミングなどは重要だが氷山の一角、その下にある根幹の部分である社会課題への理解や論点を把握する能力が最も重要」と語る。

「社会課題と論点の理解能力」を育成するためにアクセンチュアは小学生を対象にしたロボットプログラミングコンテストをおこなった。これは単なるプログラミング講座ではなく、地域や家の防犯、セキュリティなどの社会課題を小学生がチームで討議し、AIのフレームワークをもとに動作するロポットを実作するというもの。

そもそも解決すべき社会課題があり、どうテクノロジーを活用するか。こうした取り組みを産業としても進めるためには「実ビジネスのデータ」が不足している。そのためアクセンチュアは、 大、九大、アクセンチュア、NTTドコモなどと連携し、データサイエンティストの育成を目的として「サーキュラーエコノミー推進機構」(CEO:Circular Economy Organization)という産学連携のコンソーシアムも起ち上げた。

またAIに関して企業はコラボレーションがさらに重要だという。保科氏は、自社だけではなく社会とも連携し、外部のAIサービスも活用するAI時代の「IQ」として、「AIQ」型の人材が企業の成長スピードを高めると述べ、下記のように整理してみせた。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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