(TOP写真:株式会社Azit 取締役 須藤信一朗氏/代表取締役CEO 吉兼周優氏)
『CREW』は、 “乗りたい” と “乗せたい” を繋げる移動のモビリティプラットフォーム。2015年10月にサービス提供を開始し、現在では東京渋谷の一部地域、鹿児島県与論島などでサービスをおこなっている。
Uberのような「ライドシェア」ではなく、ライダー(車に乗って移動したい人)とドライバー(空席のある車を運転する人)をマッチングさせることが特長。スマホアプリから公認のドライバーを呼び出し、アプリ内のカード決済で「謝礼」を支払う。
日本では、Uberのようなライドシェアは、自家用車による有償運送なので違法となるが、CREWは「運賃」という対価は発生しない。今年の3月に国交省のガイドラインが明確になり、「任意の謝礼」は道路運送法での許可や登録を要しなくなったことで、このサービスを本格化するにいたったと、代表取締役CEOの吉兼周優氏はいう。
提供するAzit(アジット)社は、9月3日にEight Roads Ventures Japan、グローバル・ブレイン、モバイル・インターネットキャピタル、クルーズと、個人投資家らから総額約10億円を調達している。
吉兼氏は「シェアリングサービスは効率化重視だが、CREWは“互助”の社会をめざしている」と語り、都心部から地方部へと広げ、社会の課題解決につなげるという。
今年の8月には、鹿児島県与論島で実証実験をおこなった。「台風の影響や雨天の多発などでライドが停止する日が多かったが、稼働日は順調な結果となり、島民の移動の足として高い評価を受けた」と同社の取締役の須藤信一朗氏は述べた。
CREWのドライバーについては、面接をおこない、ミートアップをおこなうなどで信頼性の確保につとめているという。
会見では同社のアドバイザーであり、紀尾井町戦略研究所の別所直哉氏が法的、社会的な側面での整理をおこなった。それによると、「道路運送法では、好意に対する任意の謝礼の金銭の収益は有償とみなさないことから、CREWは適法となる」という。また「国土交通省とも協議を重ねてきた。またWebアプリ・サービスの運用を加味した通達にもCREWは、準拠している」と強調した。