調査結果では、4~5月の緊急事態宣言下において在宅勤務の実施割合は急増し、7割弱が勤務日の5割以上在宅勤務を実施していたものの、宣言解除後の7月においては、同割合は回答者の半数未満に低下していることがわかった。
また、テレワーク実施時の連絡手段(業務実施デバイスを含む)としては、回答者の過半数が個人所有の携帯電話・PCを使用しているものの、従業員規模が1,000人以上の大企業においては、個人所有よりも会社支給のデバイスを使用している割合が高いほか、シンクライアントPCの普及割合も3割程度と高い結果となった。
テレワークにより実施した業務内容としては、「書類の作成・確認(77.8%)」「web会議、電話会議(66.2%)」「社内システムを通じた管理業務(47.5%)」がトップ3であった。テレワークで感じたボトルネックとしては、「手元に必要な情報がない(37.3%)」「社内の状況がよく分からない(34.2%)」「紙の書類を前提とした押印、決裁、保管等の手続きがあること(32.0%)」がトップ3であった。
業務プロセスの最適化について、「全業務で業務の最適化」、「可能な業務プロセスを見直し最適化」がされているという回答者は、多くが「平常時から積極的にテレワークを実施したい」と考える傾向にある。たとえば情報通信業では、「全業務で業務の最適化」「可能な業務プロセスを見直し最適化」があわせて約60%となるなど、普段からテレワークを可能とする業務プロセスの最適化が進められている。
雇用形態別で見ると、特に派遣職員では、今後のテレワークの継続意向について、「継続することは困難と感じる(14.8%)」との回答が最多となり、テレワークの継続に関して困難を感じる傾向が強いことがわかった。
46.4%の企業で経営層等がテレワークに対する方針を示し、規模別には1,000人以上の企業、業種別では情報通信業が6割以上で方針を示している。方針を示している企業のうち、約9割が積極的なテレワーク利用に向けた方針を示し、テレワークを積極的に利用しない方針を打ち出した企業は全体の1割程度ともっとも少なかった。