「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトは、経理の新しい働き方を共創すべく、7月2日の立ち上げ以降、「#さよなら紙の請求書」を掲げ、「紙の請求書の電子化」を推進してきた。特に中小企業において、IT導入をする予算確保が障壁になっていることに着目し、IT導入補助金を推進している経済産業省へ対応を進言することとなった。
各省庁による従来からの働き方改革関連施策や、今般の新型コロナウイルスの感染拡大防止策等により、多くの企業でテレワーク導入が進んでいる一方で、財務/会計/経理/法務部門のテレワーク実施率は他職種と比較し、最下位という状況。
経理部門が出社を強いられる理由として「紙の請求業務」「入金支払い管理」「紙の経費業務」等が挙げられ、ITツールの未整備がその主たる要因と考えられる。実際、経理部門において直近3年間でITツールを導入したのは27 %にとどまっている。
経理部門等で働く人々は働き方改革や今般の新型コロナウイルスを踏まえた新しい生活様式から置き去りにされており、さらには、電子帳簿保存法対応や、インボイス制度等、法制度の改変により対応事項は増加傾向にあり、今後さらに労働環境が悪化してしまうことが懸念されている。
そこで、IT導入補助金の拡充と経理部門への導入促進の為の啓発活動や経理部門等に焦点を当てたDX促進の為の産官学連携の促進を要望することとなった。
請求書の電子化による経済効果は1兆1,424億2,182万円と試算
アナログな業務が残る経理業務において、電子化移行は無駄なコストを省くことはもちろん、経理の方が本来すべき業務に集中することで、より企業にとって利益をもたらすものと考えられる。「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトは、電子化移行のメリットを発信すべく、関西大学大学院会系研究科(会計専門職大学院)の宮本勝浩名誉教授の協力のもと、請求書の電子化による経済効果を試算したところ、約1兆1,424億2,182万円となることが分かった。今回の試算にあたり、「紙での請求書業務」で発生する作業をエクセルでの手作業や封筒への発送と定義している。その上で、1社あたりに発生する経理の人件費や郵送費・印刷費のコストを試算し、紙で請求書業務を行っている企業が電子化に切り替えた場合の費用削減や従業員の時間削減によって得られる利益から算出したものだという。
ワークスの描く経理の未来
自社調査による、コロナ禍におけるシステムベンダーの対策として期待する機能・対策において、75%の回答者が「電子帳票・証憑が保存&閲覧できる電子帳簿保存機能」、67%の回答者が「PDFなど電子証憑添付によるワークフロー機能」と回答しており、ニーズの高さを確信。ワークスの企業理念である「働く」の概念を変え、仕事をより創造的な活動へ変えることを、新たな側面から実現するため、中堅・中小企業にもご利用いただける電子帳簿保存法に対応した証憑の電子データ管理ツール「EBM」の提供を開始している。