三井住友信託銀行が今回利用を開始した「AI-OCRシステム」は、複数の業務で共同利用でき、活字だけでなく手書き文字にも対応し、種類の異なる多数の帳票から必要な情報を抽出しデータ化できる汎用性の高いシステム。第一弾として、遺言信託業務と税務調査業務の利用から開始し、今後対象業務を拡充していく予定だという。
「AI-OCRシステム」の利用開始により、既存のRPAと組み合わせて活用することで業務プロセス自動化の対象範囲拡大が可能となり、生産性向上と業務効率化を一層加速させることが可能となった。たとえば、遺言信託業務において、従来は年間6万枚以上の紙の帳票を手作業で処理していたが、100種類以上の異なる帳票を自動的に仕分け、帳票毎に異なる必要情報をデータ化することにより、約45%の処理時間の短縮による業務効率化を実現する。
三井住友信託では、今後、投資信託や保険商品の手書きの申込書など自動化の範囲や業務をさらに拡大させ、より複雑な業務プロセスに対してもデジタル技術を活用してさらなる高度化を進める計画だという。このような取り組みを通じて、営業店、事務センター、本部の業務効率化と生産性向上を実現させ、顧客に提供する付加価値の向上を目指すとしている。