これにより、ServiceNow Japanは、人びとへ新型コロナウイルスワクチンの接種を迅速に推し進める組織を支援。この新ソリューションは、ワクチン流通で生じるさまざまな課題を解決することでワクチン接種までのプロセスを加速するもの。また、ノースカロライナ州の保健福祉省やNHSスコットランドを含む100以上の組織がすでにServiceNowとワクチン管理において協業を進めていることについても発表した。
新型コロナウイルスワクチンの開発という科学的な偉業は達成したにもかかわらず、組織は、ワクチン管理という最終工程でつまずいているのが現状。これは、人々にワクチンの接種を迅速に進めるためのプロセスやインフラがないことが原因になっている。ワクチンは、供給が限定的であること、保管条件が正確に満たされること、また2回の接種が必要であること、といった特性を持っている。そのため、早急にワクチンを供給するためには、公的機関と民間企業の協業を必要とすることから、ワークフローは複雑化することが見込まれている。
新ソリューション「ServiceNow Vaccine Administration Management」
世界中の人びとにワクチン接種を支援するうえで、マニュアルなレガシーシステムで対応することは最大の課題のひとつとも言われている。こうした課題に対応していくために、いくつかの組織が既にServiceNowが提供するNow Platformをワクチン管理のコマンドセンターとして活用。ServiceNowが新たに発表するソリューション「Vaccine Administration Management」は、ワクチン接種を受ける人たちが必要な情報の収集や、接種する日程の予約管理、接種する前に知っておくべき情報や予約受付の通知受信といった機能を組織に提供するもの。
Vaccine Administration Managementは、ServiceNow Customer Service Managementをベースに構築しており、デスクトップやモバイル機器といったあらゆる端末を横断して実現する、モダンなセルフサービス体験を提供。今回発表された新ソリューションは、ワクチン接種を受ける患者とバックエンドにある在庫システムを連携することで、組織が簡単に予約の受付を行ったり、予約日が近づいたらその通知を送ったり、ワクチンの在庫量に応じて接種が可能になったことを通知したりする機能を備えている。また、ワクチン接種が優先的に行われる人たちについての情報提供も行われる。
ワクチン接種・接種後までの「ラストワンマイル」となるワクチン管理を加速
組織が利用しているスケジューリングや優先順位付け、コミュニケーションなどを行うためのレガシーシステムはサイロ化した状態にある。そこで、ServiceNowをワクチン接種のためのコマンドセンターとして活用することで、これらのレガシーシステムを横断したワークフローを構築することができるという。ServiceNowのデジタルワークフローは、組織が利用する既存のシステムと連携し、以下のようなワクチン管理プロセスの中で重要な項目をオーケストレーションするためのダッシュボードを提供するとしている。
- 供給: ワクチンの配送追跡、在庫管理、ワクチンの在庫状況により接種を受ける人たちの優先順位付けを行う
- 接種: ワクチンを接種するスタッフやそのサポートスタッフのスケジュール設定、PPE (マスク等の衛生・防護用品)と針の使用状況の追跡、接種予約をしたにも関わらず接種を受けにこなかった人たちのモニタリング、ワクチンを接種した人たちからのフィードバックを収集する。接種を受けた人は、任意の手段でオンライン上のワクチンプログラムとやり取りすることができる
- 接種後のモニタリング: 接種を受けた人の安全性のモニタリング、副反応や有害事象の報告、安全な職場復帰の取り組みや継続的な公衆衛生モニタリングを支援する
海外における事例
ServiceNowは、ノースカロライナ州への支援に加え、NHSスコットランドとの協業も推進し、3ヶ月以内に550万人の市民にワクチン接種を行うという目標を実現するためにカスタマイズされたワークフローソリューションをNow Platform上に構築。
ノースカロライナ州の保健福祉省(NCDHHS)は、ヘルスケアサービスや臨床医向けにワクチンを接種するためのコマンドセンターとしてServiceNowを活用している。これにより、州職員たちがノースカロライナ州におけるワクチンの必要条件に関する最新情報を入手し、ワクチンについて不明な点があればその回答を得ることができる。
ノースカロライナ州 情報技術省 Chief Deputy State Chief Information Officer兼Chief Services Officerスーザン・ケロッグ氏は次のように述べている。
「ノースカロライナ州 保健福祉省は、1,000万人以上の市民が迅速かつ効率的にワクチンを接種できるよう、COVID Vaccine Management Systemのヘルプデスクポータルを提供しています。このポータルは、我々が保健福祉省を支援するためにServiceNowのプラットフォームを活用して構築しました。 COVID Vaccine Management Systemのヘルプデスクポータル上でワクチンをいろいろな場所へ配送するために必要な承認申請や承認取得ワークフローをデジタル化しました。これまでは、手作業で時間のかかるプロセスだったものが、今では、ポータル上で数回クリックするだけで完了し、最終的にワクチン接種のプロセスを加速することができます」
ServiceNowは、顧客や企業・組織が、コロナ禍におけるさまざまな事象に対応するために必要となる壮大なイノベーションの実現に向けて取り組んでいる。今回発表されたServiceNow Vaccine Administration Managementは、その取り組みの一部。ServiceNowの危機管理支援アプリは、組織が新型コロナウイルス感染の危機管理をナビゲートするのをサポートし、世界中で1,800社以上の顧客にダウンロードされている。ServiceNowのSafe Workplaceアプリは、企業が従業員をニューノーマル時代における職場への復帰を安全に実現するために、作業量や職場の準備状況を測定するのに役立つという。Safe Workplace アプリのスイートは、2ヶ月に一度の頻度で機能アップデートしており、現在までに世界中で 900 以上の組織がアプリをダウンロードし、10,000 回近くのインストールを行っている。
ServiceNow Japan 執行役員社長 村瀬 将思氏は次のとおり述べている。
「新型コロナウイルスワクチンを早急に開発することが、世界が直面した最初のチャレンジでした。そのワクチンが開発された功績は、偉業の達成とも言うべきです。そして今、私たちが直面している二番目のチャレンジがいかに人びとに早くワクチン接種を施せるか、ということです。ワクチンの供給から接種、モニタリングまでのワークフローを提供することが、我々の喫緊の課題です。ServiceNowはその複雑化した流通や調整、そしてワクチンを必要としている人びとに届けるところまでを支援できることを嬉しく思います。我々は、Now Platformを活用することで、日本の政府機関・自治体や医療機関が国民の一人ひとりに確実にワクチン接種を行うために今必要としている拡張性、スピード、柔軟性を提供します」
ServiceNow President 兼 CEO ビル・マクダーモット氏は、次のように述べている。
「今日、我々が取り組んでいることは、今後何年にもわたって影響していくでしょう。ServiceNowは、新しい働き方の創造、アジリティとレジリエンスの構築、そしてより健全な未来に向けたデジタルトランスフォーメーションの加速を実現するために、お客様と共にデジタルワークフローを活用しています」