このレポートでは、現在から2050年までの間に世界を形成するという6つの潮流について解説している。6つの潮流は以下の通り。
1.人と社会
人口、移民、価値観、教育という4つのサブトレンドから構成される。人は移動し、価値観に頼り、学びを求める。私たちの思考の核心は、単なる人口統計を超えて、人と社会にある。
2.ヘルスケア
パンデミックとその他のワイルドカード、病気と治療、介護という3つのサブトレンドから構成される。パンデミックだけが脅威ではない。政策立案者とヘルスケアの専門家が協力し、ヘルスケア/介護関連の無数の課題に対する解決策を探るべきである。
3.環境資源
気候変動と汚染、資源・原材料、危機に瀕した生態系という3つのサブトレンドから構成される。世界的な気候変動の緩和に加え、水、食料、原材料の確保や生物多様性の保全に対する取組みが必要となる。
4.経済とビジネス
グローバリゼーション再考、パワーシフト、セクターの変革、債務チャレンジという4つのサブトレンドから構成される。世界のバリューチェーンは見直されつつあり、新たな経済大国圏が台頭。セクター別の変革が重要となり、財政面では債務負担が増加していく。
5.技術とイノベーション
技術の価値、人工知能、人間と機械という3つのサブトレンドから構成される。テクノロジーへの投資とイノベーション能力は依然として重要である。その中でAIは人間の価値に対する懸念と共に、広大な未来の可能性を約束する。
6.政治とガバナンス
民主主義の未来、ガバナンスと地政学、グローバルリスクという3つのサブトレンドから構成される。民主主義の特性の衰退が加速。独裁化の流れと民主主義の疲弊がグローバル・ガバナンスに課題を与える。