味の素は坂ノ途中社の株主として同社の事業成長を支援すると共に、同社が販売する野菜やスペシャルティコーヒー豆等を活用した新事業モデルの検討を開始。
食品等のEC市場は約1兆8,000億円とされており、食品市場全体の中で占める割合は約3%とまだ低い水準。一方で、伸び率は前年度比約8%となっており、今後さらに成長が見込まれている(2019年度、経済産業省調べ)。また、スペシャルティコーヒーは日本でも関心が高まり続けており、その市場は2018年度の356億円から、2022年度には498億円まで成長すると予想されている(全日本コーヒー協会調べ)。
2009年に設立された坂ノ途中社は、低環境負荷の農業に取り組む新規就農者や東南アジアの森林減少防止に寄与するスペシャルティコーヒー豆の生産者等を支援し、小規模ながら高品質、低環境負荷の農法で栽培された野菜のセットやコーヒー豆のサブスクリプション販売を行っている。この支援活動を通じて独自に構築した生産者とのネットワークや、同社の取り組みおよび製品を強く支持する顧客層を強みとしている。
味の素グループが保有する商品力や知見と坂ノ途中社が保有する生産者や顧客とのネットワークの共有により、新たな価値提供の可能性が検討できること、EC販売の領域において豊富な経験を有する坂ノ途中社との取り組みにより消費者との新たな接点を期待できることから、今般の出資を決定したという。
味の素はコーポレートベンチャーキャピタルの投資領域として「Well-Being」、「地域・地球との共生」、「食の伝承と新たな発見」、「調理の進化」を設定。食資源確保や環境負荷低減につながる生産者から消費者までのサステナブルなバリューチェーンの構築を支援することで、2020-2025中期経営計画で掲げる「食と健康の課題解決企業」の実現を目指している。