今回設置されるDAIIは、信頼される高度なAIの活用を通じた人間中心の社会の実現をビジョンとして標榜しており、所長にデロイト トーマツ グループのパートナーで、日本におけるAIに関する専門人材の様々な連携組織の役職を兼務する森正弥氏が就任する。森氏のリードの下、デロイト トーマツ グループの5つのビジネスにおいて、AIやアナリティクス活用したクライアントサービスに従事する約200名のプロフェッショナルが協力し、研究およびネットワーキング活動を行っていくという。
すでにデロイト トーマツでは、自然言語処理、OCR、画像認識、音声認識、需要予測・販売予測、パーソナライゼーション、信用度スコア、不正検知、会計監査、融資・審査、M&A支援、資産運用といった幅広い領域でAIアプリケーションのソリューションを有しており、AIをビジネスで活用することを推進している。DAIIはこういった知見を集約しつつ、実践的研究組織として、企業や組織のAI利活用が加速し、より本格的な事業変革や社会基盤の整備・向上を果たせるように貢献していくとしている。
研究成果としては、まずは、ガバナンス領域において、社会に信頼されるAIの研究開発を行い、AIのガバナンスの枠組みを提供していく予定。海外のデロイトによる、AIの性能と説明責任の双方を高度に実現することを目的としたメソドロジー／フレームワークおよび領域別（監査、マーケティング、ライフサイエンス・ヘルスケア、製造業など）のAIプラットフォームソリューションなどを有効活用し、スピーディで質の高い成果を示していくという。
DAIIは、デロイト トーマツが所属するプロフェッショナルサービスのグローバルネットワークであるデロイトの米国ファームにおいて、2020年に設立したDeloitte AI Instituteをベストプラクティスに設立している。デロイトでは、DAIIのグローバルネットワークを米国を中核としながら、カナダ、英国、ドイツ、中国の各拠点のDAIIが連携する体制として構築・強化している。デロイト トーマツが日本にDAIIを設立することで、このネットワークに加わり、海外の約6,000人のAI専門家の知見の活用や、各地のAI専門家コミュニティとの交流を行っていくという。これにより、研究活動のスピードや質の向上、海外の多様なユースケースや実証実験の経験の共有を促進するとしている。
