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伝わりやすいビジュアルを作る3つのコツ

第2回

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全部を盛り込まない

 3つ目のコツは、「全部を盛り込まないようにすること」です。

 良い例は、1931年にハリー・ベック氏がデザインし直したロンドン地下鉄路線図のアプローチです。

 従来の路線図は、普通の地図に対して、路線情報を描き足したものでした。

1908年頃の路線図デザイン1908年頃の路線図デザイン(画像出典:Wikipedia/参考文献:『ビューティフルビジュアライゼーション(オライリー・ジャパン)』)

 路線図は目的地(駅)への行き方がわからない人が見るものです。

 このデザインでは、駅がどの場所にあるかを知るのには良いですが、乗り換え情報を知りたい人にとっては複雑で不便です。

 そこでハリー・ベック氏は路線図に地理情報は不要と考え、目的駅への行き方に焦点を当てたデザインに変えました。

 路線や駅は単純な線・角度・丸で表現し、地理情報には目安となるテムズ川のみ載せました。

 このデザイン・コンセプトは現在まで踏襲されています。

ベック氏のアプローチを継承する路線図デザインベック氏のアプローチを継承する路線図デザイン(画像出典:Transport for London/参考文献:『ビューティフルビジュアライゼーション(オライリー・ジャパン)』)

 一番大切な情報に集中できるように、ビジュアルの目的と無関係な情報を省く努力をしましょう。

 この記事で挙げた「伝わりやすいビジュアル」のコツは次の3つです。

  1. 決まり事を設ける
  2. 意味のない装飾を避ける
  3. 全部を盛り込まない

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この記事の著者

ビジュアルシンキング 櫻田(ビジュアルシンキング サクラダ)

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