あらゆる企業に求められる“ローカライズ対応”とは
Webサイトとアプリの多言語化ソリューションを提供するWovn Technologiesは、2014年に設立され、そのミッションは「世界中の人が、すべてのデータに、母国語でアクセスできるようにする」だと早坂氏は語る。
その背景には、インターネットには国境という概念がなく、誰もが簡単に世界中のデータを取得してコミュニケーションできる一方、言語の壁によって情報の不平等が起きていることがある。そのような問題の解決や企業のグローバルビジネスの促進を支える黒子企業として同社は事業を推進している。
現在、上場企業を中心に数百社がサービスを利用。コロナ禍で訪日外国人数は減少しているものの、日本国内の在留外国人の対応、企業のグローバル展開などからWebサイトの多言語化ニーズが高まり、大手企業への導入展開が急速に拡大している。
多くの企業が戦略に沿ってWebサイトのあり方を再考し、多言語化を推進しているが、代表的なユースケースは4パターンだと早坂氏は説明する。
1つ目は訪日外国人向け。たとえば、サービスサイトの多言語化によって、外国人でもチケットや商品を購入可能にし、体験型店舗の情報を得られるため、資生堂ジャパンやHIS、 JALといった企業がWovn Technologiesを活用している。
2つ目は、在留外国人向け。外国人でも日本人と同じレベルのサービスを受けられ、人や国の不平等をなくすSDGsの観点で利用されている。たとえば、社会インフラ機能を担う三菱UFJ銀行のネットバンキングサービスや東京メトロなどだ。
3つ目は、小売・食品企業。世界中に企業や製品のファンを作るためのブランディングや市場拡大するための越境ECなどにWovn Technologiesのサービスが利用されている。顧客にはミキハウスや大創産業、マルコメなどの企業が名を連ねる。
最後の4つ目は、グローバル企業。コーポレートサイトの多言語化で、世界に対してブランディングを行い、認知の向上を図っている。また、グローバル企業では世界の各拠点に色々な人種・国籍の社員がいるため、社内のイントラサイトで世界の全従業員に対して、コーポレートのメッセージを母国語で伝えることも可能だ。たとえば、ヤンマー、富士フイルム、Roland DGなどがこのようなサービスを利用している。
さらに今後、Webサイトやアプリに限らず、ファイルなどのデータ、ICT、IoTデバイスについても対応できるようサービスを拡大していくと早坂氏は話す。