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フレームワークを活用した既存事業の見直し

既存事業のブラッシュアップで効果的にフレームワークを活用する方法

第1回

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 ビジネスフレームワークを活用して思考整理・戦略設計ができるSaaS「BizMake」を運営している今井と申します。今回、既存事業の見直し・改善企画というミッションをもつ方にオススメの思考法や、課題解決のヒントをご紹介していきます。  第1回となる今回は、既存事業のブラッシュアップにフレームワークを活用する意義を解説します。次回以降は、洗練した戦略を練るためのフレームワークの組み合わせ、他社分析を考えることで自社課題を見直す方法など、より既存事業の解像度を上げられる考え方をお伝えしていきます。

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フレームワークが好まれる2つの理由

 20世紀後半にできた古典的なものから、21世紀以降にできた新しいモデルまで、ビジネスの進化に合わせて、様々なフレームワークが誕生・派生してきました。社内での企画や事業を検証する際に、自社のビジネスモデルを俯瞰して観察したり、内外部環境を分析したりする方もいらっしゃることでしょう。

 フレームワークはあくまでも手段の1つであり、目標を達成するために必ず使わなければならないものではありません。それでも多くの方がフレームワークを用いる理由は、大きく分けて以下の2つだと考えます。

  1. 思考に制限を設けるため
  2. チーム内での共通言語を作るため

 ではそれぞれの項目について、詳しく解説しましょう。

1.思考に制限を設けるため

 既存事業を見直しする際には、バイアスを外して、創り上げたプロダクトを様々な角度から見る必要があります。アイディエーションをゼロから考えるのは生産的ではありません。「プロダクトの特徴は?」「想定する顧客は?」「コストはどう抑える?」「どんな競合が考えられる?」「競合と思っていた企業は本当に競合だったのか?」と手当たり次第に考えていては、議論のベクトルがあらゆる方向に発散してしまい、会議にまとまりがなくなってしまいます。結果として、課題感だけを共有した会議になってしまうことや、時間ばかりが取られてしまい、プロジェクトが進捗しないことは多々あります。

 手を動かしてあらためて気づくことかもしれませんが、「自由は不自由」なのです。あらかじめ自由を制限するフレームワークは、議論をスムーズに進めるための非常に有効な手段なのです。

 たとえば、社内で既存事業のテコ入れをすることになり、過去に行ってきた施策のレビューをしなければいけなくなったとしましょう。まずは、自社事業の現状を把握するために「SWOT分析」「ビジネスモデルキャンバス」を利用します。SWOT分析には「強み」「弱み」「機会」「脅威」という項目があります。ビジネスモデルキャンバスには「顧客セグメント」「顧客との関係」「チャネル」「提供価値」「アクティビティ」「リソース」「パートナー」「コスト」「収益」の9項目があります。会議は各項目を思考の出発点として進められればよいでしょう。項目が制限されているため、闇雲ではなく効率的に整理・俯瞰ができるのです。

 もちろん現状把握だけではありません。競合や顧客などの外部環境を分析する際にも、思いつきで会議を進めると「そもそも顧客のニーズはどうなっているのか」「競合はどんなアプローチを取っているのか」「他社の新規参入リスクは本当にないのか」とバラバラに話が進んでしまいます。

 このような場合、フレームワークには「PEST分析」(「政治」「経済」「社会」「技術」)や、「ファイブフォース分析」(「買い手」「売り手」「競合」「新規参入者」「代替品」)などの外部環境を分析する手段があります。同じように制限をかけることで、頭の中を整理しながら計画を立てられるのです。

2.チーム内での共通言語を作るため

 長年マーケティングや企画の現場に携わってきた方であれば、現状把握や内外環境の分析、ターゲティングやセグメンテーション、提供価値と差別化など、プロダクト開発で必要な思考法が備わっている方もいらっしゃるでしょう。「わざわざフレームワークに書き記さなくとも直感的にアイデアが出る」と感じる方にとっては、煩わしいかもしれません。

 しかし、事業はチームで進めるものです。それぞれのマインドをチームの共通言語として設定する必要があります。フレームワークは、1つのキャンバス上で要素を可視化でき、会議の進行に合わせてチーム内にシェアすることが可能です。メンバーのアイデアを可視化できるので、共通言語を作れます。結果として、常にそこに立ち返ることができるのです。

 チームの足並みが揃っていない場合、様々な問題が生じます。たとえば、プロジェクトの動きが遅くなってしまうこと。立場の違いや、認識のズレから、自分の行動がプロジェクトのどの部分の機能を担っているのかがわからなくなってしまい、チームメンバーの判断力が鈍ってしまいます。また、ビジョンにのっとった行動ができなくなります。フレームワークによってプロジェクトの方向性をはっきりさせることで、チームメンバーの自立駆動的な動きを実現させるのです。

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この記事の著者

今井 雄大(イマイ ユウダイ)

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