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フレームワークを活用した既存事業の見直し

フレームワークによる他社分析を通じて自社の課題を抽出する

第4回

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 前回まで2回にわたって「事業設計のブラッシュアップ」を2つのパターンから考察してきました。1つは事業がどうあるべきか、ゴールに向けて足元から計画を練っていく方法。もう1つは、未来のなりたい姿を複数イメージしておき、そこから逆算して足元の計画を考える方法。順番を入れ替えるだけで、見えてくる景色、やるべき施策が変わることをご説明しました。最終回となる今回は、自社課題との向き合い方について、私の経験を交えて解説していきます。

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“引き出し”が少ない中での自社分析の落とし穴

 これまで数多くの新規事業開発・既存事業改善プロジェクトに携わらせていただきましたが、ビジネスモデルや戦略パターンといった“引き出し”の少ない中での自社分析は困難がともないます。

 例として、ある担当者が自社の現状分析を始めるケースを考えます。最初はその担当者の主観で自社を描き出しますが、それは問題ありません。その後、社内ステークホルダーと認識を合わせるフェーズで、客観的な情報をプラスしていくようになります。自社の強みとなる資源や差別化ポイントは、営業や事業開発部門の方が精通していますし、同様にリスク要因は、人事や法務といったバックオフィスを統括している方が詳しいはずだからです。

 このフェーズには落とし穴があります。

 人間は、自分たちの都合のよい結果に誘導しようと、自分たちのアイデアが間違っている可能性を無視してしまう、避けてしまう傾向にあります。一般に「選択的認知」「確証バイアス」といわれるものです。ビジネスモデルや戦略パターンの引き出しが少ない中で現状分析を進めると、担当者と各ステークホルダーで背景や事業に対する考えが異なるため、一貫性に欠けた不正確な分析になってしまいます。

 では、正確な自社分析を進めるにはどうすればいいのでしょうか。

 私は、自社分析より先に他社分析することをお勧めしています。他社であれば客観的に見ることが可能なため、分析をスムーズに進めることができます。他社を知り、比較対象とすることで、これまで気づかなかった自社の強みや差別化ポイントを発見できるのです。

 次ページからは、前回まででご紹介してきたアプローチを整理し、私の経験を交えて実践的なポイントとしてまとめてご紹介してきます。

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この記事の著者

今井 雄大(イマイ ユウダイ)

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