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デロイト トーマツ、「気候変動(脱炭素)領域におけるイノベーション活動の実態調査」を発表

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 デロイト トーマツ ベンチャーサポートは、日系大企業およびベンチャーキャピタルを対象に、「気候変動(脱炭素)領域におけるイノベーション活動の実態調査」を行い、考察をまとめたレポートを発表した。

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調査レポート実施の社会的背景

 2015年の「パリ協定」での目標(1.5℃努力目標)の設定や、2018年のIPCCの「1.5 ℃特別報告書」における20兆ドルにも及ぶ経済損失の試算、さらに世界各地で大規模な災害が相次ぐなか、世界銀行が2021年9月に公表した報告書では、気候変動対策を早急に講じない場合、2050年までに2億1600万人が自国内での移住を余儀なくされる可能性があると指摘された。

 2020年9月の国連総会で中国が2060年の脱炭素実現目標を掲げ、また、米国ではバイデン大統領就任初日にパリ協定復帰に関する大統領令を発令し、2021年4月の気候変動サミット開催を主導したことなどからも、それぞれが国際社会の一員として、気候変動、脱炭素の取組みへの対応を行うことは必須となっている。

 日本では、菅政権が第203回臨時国会において、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言。「グリーン成長戦略」において、技術革新を通じて今後の成長が期待される14の産業を特定し、高い目標を掲げ、現状の課題と今後の取組を明記するなど同分野のイノベーションにも力を入れていく方向性を打ち出している。これを受けて、日本では、気候変動対策に官民双方が注目し、様々な取組みが始まっており、気候変動に係る事業創出や気候変動ファンドの創設、Climate Techの勃興など新規事業/テクノロジーの領域での活動が益々活発になっている。

調査結果サマリー

事業会社の現状

  • 247名の回答中、9割以上が気候変動は「社会」と「自社」双方共が取組むべき課題だと考えており、事業として取組むことに関心を持っているとの回答も9割と高い割合を示した。
  • 気候変動(脱炭素)事業において、実際に行動を起こしている企業は6割程度であり、成果(一定の売上)を出しているのは1割に留まるとの結果であった。
  • 気候変動(脱炭素)における事業面での取組みが進まない主な背景/課題として、社内の方針や体制が無いこと及び取組み手法が分からないとの回答が多くみられた。
  • 取組みが行われている気候変動(脱炭素)に関する事業は、7割弱が既存事業の延長または派生であり、新規領域に取組んでいるのは3割に留まった。事業への取組み手法は、自社単独検討よりも戦略的提携/協業が多く、また、資本提携やM&Aも見られることから、外部との協業が主流化していることがうかがえる。
  • 事業領域に関しては、「省エネ」「再生可能/クリーンエネルギー」「電化」など日系企業が従来から取組む事業領域は「関心」が高く「取組み」も進んでいるが、「サーキュラーエコノミー」「DXによる温室効果ガス排出量最適化」など比較的新しい事業領域は、「関心」は高いが「取組み」の比率が相対的に低い。新しい事業領域の中で「関心」に対して「取組み」が進んでいる事業領域として「CCS/CCUS」などの「二酸化炭素回収・貯留」技術が挙げられる。
  • 気候変動(脱炭素)におけるファンド設立を検討/既に設立しているとの回答が16%に上った。

ベンチャーキャピタルの現状

  • 43名の回答中、9割以上が気候変動は「社会」と「自社」双方共が取組むべき課題だと考えており、投資領域として関心を持っているとの回答も9割と高い割合を示した。
  • 実際に投資を実践しているのは4割であり、投資リターンを得ているのは1社のみで未だほとんど創出されていないのが現状。
  • 投資に係る「関心」領域として、「再生可能/クリーンエネルギー」「電化」「省エネ」など、日系企業の従来領域に加え「サーキュラーエコノミー」にも高い関心が示されたが、実際の投資数は未だ少ない。
  • 今後の方向性として、約7割の回答者が気候変動(脱炭素)におけるファンド組成や投資ポートフォリオに気候変動を加える事を実践または具体的に検討している。また、9割の回答者が、ファンド組成時の資金調達において環境への対応方針が影響を与えると考えている。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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