東芝グループは、2021年4月、サステナビリティの観点と経営を一体化し、全ての企業活動を通じてESG、SDGsの取り組みを加速するため、従来のサステナビリティ推進担当部門を、社長直轄の「サステナビリティ推進部」として独立・新設した。
「東芝グループ サステナビリティレポート2021」では、2020年度に実施した同社グループのESG関連の取り組みに加え、新組織の発足以降、主に取り組んできたサステナビリティ推進体制の強化、「東芝グループサステナビリティ基本方針」の策定、マテリアリティ(重要課題)の再特定、「環境未来ビジョン2050」の改定などについて報告している。
1.サステナビリティ推進体制の強化
サステナビリティの観点を確実に経営に統合していくため、社長を委員長、サステナビリティ関連の各担当役員と主要グループ会社および関係会社の社長、サステナビリティ関連部門長を委員とする「サステナビリティ戦略委員会」を新設。この委員会の傘下に、「サステナビリティ推進会議」および1991年から継続している「コーポレート地球環境会議」を位置づけ、委員会で決定した事項に対する具体的な施策の検討、実行計画の立案、モニタリングなどを行う体制を整備した。また、統合報告書やサステナビリティレポートに掲載するESG情報の開示承認を行う「非財務情報開示検討会議」も新たに設置している。
2.「東芝グループサステナビリティ基本方針」の策定
中長期的な企業価値の向上のため、当社の取締役会規則に、取締役会として同社グループのサステナビリティ基本方針を策定することを追加し、2021年10月に取締役会による決議をもって「東芝グループサステナビリティ基本方針」を策定した。
3.「マテリアリティ」の再特定
2013年に特定したマテリアリティについて定期的に確認しながら取り組んできた東芝グループは、気候変動への取り組みが世界規模で求められるようになり、SDGsが国連で採択されるなど、さまざまな視点に基づき社会課題が変化していることや、同社グループの事業の見直しを受け、2021年度に新たにマテリアリティを特定。
4.「環境未来ビジョン2050」の改定
気候変動や循環経済への対応などグローバルな視野に立った環境経営の長期ビジョン「環境未来ビジョン2050」における「気候変動への対応」について、バリューチェーン全体におけるカーボンニュートラルに向けた取り組みを更に加速させるため、同ビジョンの改定実施。
具体的な施策としては、自社グループの事業活動における省エネ設備への投資、再生可能エネルギー設備の導入、再生可能エネルギー由来電力の調達拡大に加え、社会における温室効果ガス削減に貢献する製品・サービスの創出に注力していく。また、サプライヤーとの協働による、購入した製品・サービス由来の温室効果ガス排出量の削減や、エネルギー供給の安定化、レジリエンス強化などを目的とした気候変動適応策に関連したビジネスも推進していくという。