ガートナージャパン(以下、Gartner)は、日本におけるテクノロジ人材の強化に関する展望を発表した。これから2030年に向けて、テクノロジを扱うことのできる「人材」が存在するかどうかが、企業や組織の存亡を大きく左右するため、日本企業はテクノロジを「自分で運転」する人材の確保と管理職をも対象とした「人材投資」を加速する必要がある。
日本企業ではITの内製化のトレンドが進行中で、現場におけるクラウド、AI、アナリティクスのスキル獲得は着実に進みつつあるが、管理職についての課題が顕在化してきているという。
管理職に対してスキルや経験値を高める施策を進めている、また管理職にそうしたスキルや経験値を求める企業も出始めており、Gartnerは、2025年までに日本企業のIT部門の管理職の70%がクラウド、AI、アナリティクス関連の認定資格を積極的に取得するようになると予測している。
アナリストでディスティングイッシュト バイス プレジデントの亦賀忠明氏は、「クラウド、AI、アナリティクスへのスキル、リテラシーの獲得は段階的に取り組みを進める必要があります。一気に完璧なスキルを獲得することは難しく、これは、3年、5年、10年といった中長期的な取り組みになるため、それは、企業戦略として進めることが求められます。そうした戦略のもとで長期的に人材投資に取り組む企業と、そうでない企業では、2030年頃には、江戸時代と明治時代ほどの差が生まれることになるでしょう。すなわち、前者は2030年以降の新たな時代をサバイブできる可能性が高まりますが、後者は、時代変化に取り残され、企業そのものの存続リスクが高まるでしょう。よって、すべての企業は新たな時代に生き残るための人材投資を直ちに開始する必要があります」と語った。