fundbookは、M&A推進支援を目的として設立した機関「fundbook Lab」にて、同社の仲介サービスを利用する買手企業と、企業買収に関わる経営者・M&A担当者(インターネット調査による)計701名を対象とした「M&A実施企業の買収目的に関する調査」を実施し、結果を発表した。
主な調査結果
- 3年以内に具体的に予定している企業買収の目的について、「DX」「脱炭素」は引き続き旺盛な需要あり、「SDGs・ESG」はさらに増加する見込み
- 「SDGs・ESG」を目的とした買収実施の理由は、約半数が「新規事業進出(49.6%)」を選び「株価対策(35.1%)」を大きく上回った
- 今後の買収の可能性について、「DX」「脱炭素」「SDGs・ESG」にいち早く取り組んできた企業は「ダイバーシティ」を目的とした買収の検討が進んでいる
- 「DX」「脱炭素」「SDGs・ESG」を目的とした買収は今後3年がピーク、「ダイバーシティ」は長期的なトレンドになる可能性も
今回の調査結果から「脱炭素」「DX」「SDGs・ESG」を目的とした企業買収のトレンドは今後3年がピークとなることが予想される。なかでも「SDGs・ESG」は増加傾向にあり、緩やかに推移する「脱炭素」「DX」と比べても、企業が今まさに注力するテーマだとしている。また買収の理由として「新規事業への進出」が約半数を占め、新たな収益の柱を構築しようとする姿勢が見られる。fundbookでも「SDGs・ESG」を目的としたM&Aの成約事例は年々増えており、業種は多様性があるものの、既存事業・進出地域を補完する周辺事業・地域に対する投資が活発になっていることが特徴として挙げられる。「SDGs・ESG」は単純な株価対策としてではなく新たなビジネスチャンスとして積極的に捉えられていることがわかる。
一方、「ダイバーシティ」においては「脱炭素」「DX」「SDGs・ESG」にいち早く取り組んでいた企業で検討が進んでおり、感度の高い企業では次の注力テーマとして位置付けられていることがうかがえる。この背景には「人的資本経営」への取り組み強化があると考えられ、これまでは人材不足を契機とした労働力の獲得が優先されてきたが、今後は人材の多様性がもたらす企業成長に焦点が当たることで、中長期的なトレンドになる可能性があるという。また、すでに「SDGs・ESG」「ダイバーシティ」が進む企業では、新事業との連携や社内情報の可視化・分析・開示などに課題を抱えるケースが多くみられ、それらの鍵を握る「DX」は比例して長いトレンドになる可能性が考えられるとしている。