デル・テクノロジーズは、DXに関する最新調査の結果を発表した。
調査の結果について、同社は以下のように述べている。
同調査では、DXが加速して2年を経て、ITリーダーの約半数(世界:50%、日本:42%)が、自分たちの組織は従業員のDXに何が必要かを理解しているとする一方で、急速な変化を経た現在、多くの従業員が変化のペースに合わせていかなければならないという課題に直面していることが明らかになった。
また、世界40ヵ国以上1万500人(日本:300人)の回答者における3分の2以上(日本:56%)が、トランスフォーメーションプログラムを計画する際に従業員がどのように関わるのかということを、自社が過小評価していると考えている。
この調査結果は、近年の急速な変化を経た今、多くの企業とその従業員が、新規プロジェクトや既存プロジェクトに取りかかる前に、よく考え、改善するための時間を必要としていることを浮き彫りにしている。世界:64%、日本:62%が、変化に対する人々の抵抗が失敗につながる要因であると考えており、依然として変革が失速して行き詰まる恐れのあることが明確になった。
回答者の半数以上(世界:53%、日本:61%)が、デジタルの機会を活用できる適切な権限/ビジョンを持つ人材が不足しているために、進化するデジタルの世界から締め出されてしまうことを懸念している。これが、多くの企業にとってas-a-Serviceモデルが好ましいオプションとなる状況につながっている。
デジタルの変革に対する準備状況の評価(ベンチマーク)
企業の上級管理職からIT意思決定者、一般のスタッフまでを対象に、デル・テクノロジーズおよび独立系の行動専門家が実施したDXに対する意識調査の結果、モダナイゼーションプロジェクトを積極的に推進している回答者の割合は、世界:10%、日本:3%となった。全体の半数近くが(世界:47%、日本:57%)、変化を受け入れる動きが鈍いか、消極的だった。
世界各国の企業におけるDXに対する現在の状況は、以下のとおり。
同調査は、変革にフォーカスして同じペースで進んで行くとともに、人とテクノロジーが交差する部分において、以下3つの領域で起こっているブレイクスルー(大きな変化)を明らかにしている。
接続環境
回答者の3分の2近く(世界:72%、日本:74%)が、あらゆる場所で仕事をできるようにするために必要なツールとインフラストラクチャーを(自らが希望する勤務形態を選ぶ自主性とともに)会社に提供して欲しいと回答。実際、企業側でも高度に分散化した勤務モデルへシフトするための適切なテクノロジーがないために、従業員が取り残されてしまうのではないかと危惧している。
テクノロジーだけでは十分でなく、企業は、ニーズや関心、責任が異なる従業員それぞれに公平な作業環境を確立する必要がある。同調査では、世界:76%、日本:68%の従業員が、自分の会社に以下のいずれかを実行することを希望している。
- 柔軟な労働形態への継続的なコミットメントと、それを適切に機能させるための実用的な取り組みを明確に定義すること(世界:40%、日本:36%)
- 従業員が、リモートワークをしているチームを効果的かつ公平に管理できる環境づくり(世界:42%、日本:31%)
- 従業員が希望する労働形態を選べる環境および必要なツール/インフラストラクチャーの提供(世界:44%、日本:42%)
生産性
誰もが限られた時間に追われている中、組織内で空き状態になっているポストに適格な人材を見つけることは、非常に厳しいのが現状である。このような問題に対応するため、企業は、反復的なタスクを自動プロセスで実行させることによって、従業員をこのような作業から解放し、その分の時間をより質も価値も高い仕事へ集中できるようにすることができる。
自分の仕事が反復的なものではなく、刺激的であるとした回答者は、世界:37%、日本:39%だった。反復的なタスクを自動化する機会があれば、世界:69%、日本:69%がリーダーシップスキルやマシンラーニングのコースなど、新たに求められるスキルや技術を習得することや、自らのキャリアアップにつながる機会への取り組みに集中できると回答している。
ただし、予算に限りがある企業は、従業員のスキルアップを進められず、他社と競合することができないのではないかという不安を抱えている。
共感
中核的な部分において、企業は、共感力のあるリーダーによるモデリングを通じて、従業員を創造性と価値の最大の源として扱う文化を確立しなければならない。
複雑なテクノロジーに圧倒されていると感じている約半数の回答者(世界:49%、日本:41%)に対して、テクノロジーを簡素化することから、個人のスキルに合わせた変革プログラムの調整まで(自分のリーダーがこれを行っていると考えている従業員は世界:41%、日本:39%)、企業にはまだすべきことがあり、共感をもって意思決定を行う必要があることを示している。