富士通は、World Business Council for Sustainable Development(持続可能な開発のための世界経済人会議/以下、WBCSD)、オランダのコンサルティング会社Arcadis、および英国の電力会社National Gridと共同で、富士通の「Fleet Management Optimization(以下、FMO)」を活用したデジタルコラボレーションの実証を行った。
実証の結果、フリート事業者の電気自動車(EV)充電によるCO2排出量を15%削減できたことを確認したという。
同実証では、脱炭素交通の実現を目的に、EVに関するデータと、電力のグリーン度を表すカーボンインテンシティ(単位あたりのCO2排出量)のデータを、FMOのシミュレーション技術を活用して掛け合わせることで、グリーン電力(風力・太陽光発電など)が豊富な時間帯にEVを充電できるようサポートしたとしている。
実証の概要
食品、飲料品などの配達車(EV)の運行・充電データと、電力のグリーン度を表すカーボンインテンシティなどのオープンデータを、富士通のFMOにより掛け合わせ、分析を実施。その結果、配達車の充電を、グリーン電力が豊富な時間帯に実施することで、フリート事業者のEV充電によるCO2排出量を15%削減し、交通業界、エネルギー業界におけるネットゼロ実現に貢献できることを確認した。今後も、CO2削減量などのエビデンスを示すことで、世界中の企業に対してデータ共有および可視化の重要性への理解促進を目指すとともに、実証の結果が電力需給バランスの社会課題解決への一助となることを期待すると述べている。
富士通は、人や物、経済、社会の相互作用をデジタルに再現し、社会の実態を把握することで、複雑化する課題の解決に向けた施策立案などを支援するソーシャルデジタルツインの研究開発に取り組んでおり、今後は都市レベルでの事前検証を実行することにより、ネットゼロ達成に向けた取り組みを進めていくという。
また、今回のフリート事業者や物流業者向けの取り組みだけでなく、交通サービス事業者への展開も視野に入れて、CO2排出量削減と物流・交通サービス領域全体の最適化に向けて取り組んでいくとしている。