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NEC、AIで消費者の属性を推定する技術を開発

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 NECは、企業がマーケティング施策を立案する際などに必要な顧客の興味や関心などの特性(属性)を、AIを活用して推定する「消費者属性拡張」技術を開発した。この技術により、顧客の情報を十分に持たない場合でも、Web上のオープンな文書データや他社データから学習した「顧客に似た人」の行動傾向にもとづいてその顧客の特性を推定、マーケティング活動を支援することが可能となる。

 今回開発した技術は、様々な分野での消費者の一般的な行動傾向の知識を、Web上のオープンな文書データや他社データなどから学習。その上で、自社顧客のデモグラフィック情報やサイコグラフィック情報をこの行動傾向モデルに当てはめて「顧客に似た人」の特性を観測することにより、顧客の多様な特性を推定する。顧客に関する他社のデータが無い場合、あるいはプライバシー上の観点で他社の顧客データを顧客単位でデータ連携できないような場合でも、高い精度で顧客の特性を推定することができるという。

 NECとジェーシービーは、2022年9月からこの技術を消費者向けマーケティング領域に活用する実証実験に取り組み、本格的な活用のための検討に着手している。NECは今後、この技術について様々な分野での検証と技術改良を実施し、2022年度中の事業化を目指すとしている。

本技術による顧客特性の推定方法

1.自己教師あり学習により消費者の行動傾向を学習

 本技術はまず「Aを買う人はBという観点を良く気にする」「Cが好きな人はDも好きなことが多い」など様々な分野での消費者の行動傾向に関する情報を、Web上のオープンな文書データから学習する。自己教師あり学習と呼ばれるアルゴリズムを活用することで、人間が教え込むことなくAIが勝手に学習を進めることができるため、膨大なWeb上の情報を基に消費者の行動傾向を幅広く学習することができる。また、他社の顧客データや専門家の知識が利用可能な場合は、追加の学習により、AIが学習した行動傾向の知識を補強することもできる。

消費者の行動傾向を学習
消費者の行動傾向を学習
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2.段階的な推論により顧客の多様な特性を高精度に推定

 次に、学習した行動傾向のモデルに自社顧客のデモグラフィック情報やサイコグラフィック情報を当てはめ、「顧客1はAを買った」という自社のデータから、「Aを買ったのだからBという観点を気にするはずだ」「Bという観点を持つのだからCも好きなはずだ」というように、「顧客に似た人」の行動傾向を基に、段階的に顧客の特性を推論する。また、推定した特性がマーケティング施策上の次のステップ、たとえば広告クリック率の向上に寄与するかどうかなどを判断することで、推論を適切なタイミングで打ち切ることや、推論過程で得られた特性の取捨選別をおこなうこともできる。これにより、多様な顧客の特性を高い精度で推定することが可能となる。

学習した消費者の行動傾向を基に顧客の特性を推定
学習した消費者の行動傾向を基に顧客の特性を推定
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