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日産自動車が進めたボトムアップのコーポレートパーパス制定──右肩下がりの社内を照らした「存在意義」

第11回 ゲスト:日産自動車

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 いま企業のあいだでは、社会における“存在意義=Purpose(パーパス)”を再定義して「何のために存在しているのか」、社員一人ひとりは「何のために働くのか」を明確にする動きが活発になっています。これは、技術革新や時代の変化によって消費者ニーズや価値観が変化したことや、企業都合のビジネスではなくサステナブルな経営が求められるようになった社会の変化も影響しています。
 このシリーズでは経営者のビジョンやパーパスの言語化支援を得意とするIdeal Leaders株式会社CEOの永井恒男氏が既にパーパスを導入している企業の方をゲストに迎え、パーパスのメリットを解き明かしていきます。今回のゲストは日産自動車株式会社 経営戦略本部 経営戦略室 主管の小林利子氏、同社 グローバルコミュニケーション本部 グローバル広報キャンペーン部 部長の大神希保氏。底の見えない状況をボトムアップで変えたコーポレートパーパス制定のプロセスと浸透にかける想いを聞きました。
※取材はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保って行っています。

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コーポレートパーパスをサステナビリティレポートで発表した理由

永井恒男氏(以下、敬称略):日産自動車株式会社はコーポレートパーパスを「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」と定めました。これをプレスリリースではなく、2020年の日産のサステナビリティレポートで発表されましたね。

大神希保氏(以下、敬称略):はい。コーポレートパーパスを前面に押し出して発表するのではなく、メッセージに埋め込んで伝える方法を選択しました。じわじわと社内に浸透させて5年、10年と時間をかけてじっくり育み、コーポレートカルチャーにしていくことを狙っています。

日産自動車のコーポレートパーパス
画像クリックで拡大表示
出典:日産自動車株式会社「サステナビリティレポート2020

永井:日産は、コーポレートビジョンとして「人々の生活を豊かに。」を掲げています。パーパスでは「イノベーションをドライブし続ける」と続けたことで、社員の方々のあり方が見えてきますね。

小林利子氏(以下、敬称略):検討過程では、「よりクリーンで安全そして持続可能なモビリティを通じて社会を元気に」と、視点を“社会”に置いていました。しかし、社長の内田(誠氏)との話し合いを経て、このように落ち着きました。

 このコーポレートパーパス制定は2020年1月、前年12月に就任したばかりの内田に提案し、正式に社内プロジェクトとして承認されたのですが、内田は就任直後に世界中の工場等を視察し、ものづくりの現場の人たちと話すことによって、改めて日産の底力を感じたと語っています。社長が誰か、社内の制度がどういうものかではなく、現場こそが日産の底力だと言うのです。

 その経験から、内田はコーポレートパーパスを“新生日産”を表すものではなく、元々私たちが大切にしていたビジョンを活かしたものにしたいと思ったようです。ビジョンに「情熱的」「革新的」「挑戦者」という日産のDNAを盛り込み、この先を進んでいくという決意を込めて「イノベーションをドライブし続ける」という言葉が生まれました。

大神:従業員一人ひとりがパーパスに繋がるような表現であってほしいということも、内田から言われていました。仮に「持続可能なモビリティ」と狭めた表現にすると、ものづくりには直接携わらない、経理や人事などの部門の社員が自分ゴトとして捉えにくくなります。「イノベーションをドライブし続ける」という表現にすることによって、日産らしいインクルーシブなパーパスになったと感じます。

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女性社員たちの草の根活動からスタートしたパーパス制定プロジェクト

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

永井 恒男(ナガイ ツネオ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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