Workdayは、「ビロンギングとダイバーシティのグローバル ブループリント(Global Blueprint for Belonging and Diversity)」と題し、企業におけるDiversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性、包摂性:以下、DEI)イニシアチブの推進状況に関する最新のグローバル調査結果を発表した。
同調査は、Sapio ResearchとWorkdayが共同し、2023年9月に、日本を含む世界19ヵ国の2,600人のビジネスリーダー(CEO、人事、財務、IT、営業部門のリーダーを含む)を対象に実施したという。
日本企業で重要性を増すDEIへの取り組み
日本の回答者の59%がこの1年でDEIの優先順位が上がったと回答。DEIへの取り組みを1つ以上実施している日本企業の割合は90%に及び、79%がDEI用の予算編成を行っていると回答した。「自社でDEIへの取り組みによるビジネスへの影響と価値を測定している人の割合」は2022年の27%から48%に増加。職場の多様性をアピールして採用につなげる必要性は、社員エンゲージメント向上の必要性と並んで、日本企業のDEIへの取り組みにおける最優先事項の一つになっている。
データの信頼性が今後の進展の鍵に
取り組みを進める上で課題として浮き彫りになったのは、自社のDEIデータの信頼性である。自社のDEIデータは行動を起こすかどうかの判断基準に使えるほど信頼性が高いと答えた人の割合は、2022年の59%に比べ、今回の調査では37%と低くなっている。
これは、DEIへの意識の高まりとともに、データの信頼性に関する懸念もまた高まっていることを示しており、データの信頼性という課題に対し、多くのリーダーがテクノロジーの活用を重要視している。82%が「テクノロジーを活用してDEIへの取り組みをサポートしている」と回答し、また79%が「昇進の議論に対して最も良い影響を与えたのはAIなどテクノロジーの活用である」と回答したという。
ワークデイ日本法人の代表取締役社長である古市力氏は、次のように述べている。
「本調査結果を通じ、近年日本企業においてDEIへの意識が高まっていることが明らかになりました。しかし、この意識の高まりと同時に、2022年との比較においてデータの信頼性が低下していることが示されています。これは、DEIイニシアチブをさらに推進するために、適切なデータ、ツール、およびリソースが必要であることを浮き彫りにしています。測定可能なDEI目標を明確に設定し、人財がアクションを起こせるようにすることで、組織は成長に向けた体制を確保できます。これにより、人財は業務や他の社員のために最善を尽くしたいと考えるようになります」