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新しい価値を生み出す「ユーザーインタビュー」の可能性

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 7月11日、株式会社アイ・エム・ジェイ(以下、IMJ)主催の「UXD / HCDワイワイCAFE」にて、「UX、デザイン思考、サービスデザインのためのユーザーインタビュー入門」が開催された。会の進行はIMJ R&D室 Service Design Unitの佐藤哲氏。講師として登壇したのは本会のきっかけとなった「マーケティング/商品企画のためのユーザーインタビューの教科書」の共同執筆者奥泉直子氏、山崎真湖人氏、三澤直加氏、古田一義氏、伊藤英明氏だ。各人がユーザーインタビューの実践家だ。

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「ユーザーインタビュー」とは何か、なぜ注目されるのか?

 今、企業は顧客に提供する価値の見直しを迫られている。すでに競争は国内からグローバルへとシフトし、市場環境の複雑さや変化の速度は過去に例を見ないほど高まっている。これまでの延長線ではなく、まだ誰も見たことのない価値を生み出していかなければ、この過酷な生存競争を生き残れない。そして、その鍵を握るのはいつも顧客だ。顧客を深く知る手法の有無が生死を分ける、そういう時代に突入している。

 しかし、こういった局面では着実に積み上げてきた実績が、逆に足かせになってしまうこともある。長年培ってきた経験は、固定観念として商品開発の創造性を妨げるからだ。また、打開策として取り入れられている発想法なども、顧客の視点が抜けた独りよがりなアイディアに終始することが少なくない。

 そこで、「ユーザーインタビュー」という手法により注目が集まっている。根幹に顧客との対話があるこの手法は「顧客との対話を通じて、思考はより現実的な方向へ導かれます。」と本書で書かれているように、新規性と顧客ニーズの両輪を損なうことなく価値を生み出すことができる。「アイディアは顧客に求められ、受け入れられなければいけません。」と言うように、徹底したユーザーへの眼差しが常に根底にあり、手法の中に流れているからだ。

 得られるのは、なにも単純な言葉の情報だけではない。

言葉がどのように話されたか、も情報になります。「自信がなさそうに」、「いかにも嬉しそうに」、など、言語情報にニュアンスが加わります。
書籍『ユーザーインタビューの教科書』より

 こういったメタ情報を拾い集めることで、例えば、作成されるペルソナに「この人なら多分このように考えるのでは」というように命を吹き込める。より本質的で人間の真に迫った価値が求められてくる時代では、より生き生きとした顧客像を描いた企業に競争を勝ち抜く力を与える。

 顧客の全体像を余すところなく掴みながら、誰も想像もしていないニーズを掘り起こす。それがユーザーインタビューという手法だ。

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