日本電気(以下、NEC)、三井住友信託銀行、Cybernetica(以下、サイバネティカ)の3社は、エストニアの電子政府基盤システム「X-Road」をベースとした技術である「UXP」を活用したデータ流通基盤にかかる事業開発について共同で検討を進めるため、合意書を締結した。
サイバネティカは、セキュリティ技術を有するエストニアのテクノロジー企業であり、エストニアにおいて、電子政府の基盤となるシステムでのデータベース連携のセキュリティシステムの構築、電子投票ソフトウェアの開発を行うなど、電子政府プロジェクトにおいて実績を有している。NECは、AI・セキュリティなどの先進技術を活用して、安全で快適な金融サービスを届けるための取り組みを推進している。
同検討では、2023年度以降、サイバネティカからUXPにかかるライセンス供与・技術支援やエストニアでのX-ROADの展開事例紹介を受けるとともに、NECグループと三井住友信託銀行が中心となって実証的なフィールドを構築する予定。実証フィールドには、これまでの実証実験に参加した組織(企業・自治体・大学など)のほか、新たな組織の参加も募りながら、事業化の検討(事業実証、PoB)を進めていくという。
事業実証においては、例えば、個人が、健康管理・健康増進のために自分のヘルスケア情報などを保管・閲覧するとともに、必要に応じて医療機関や介護機関、ヘルスケアサービス事業者などにデータ共有するためのデータ流通基盤の仕組み・エコシステムの事業化などを検討するとしている。
三井住友信託銀行は、エストニアで実績のあるデータ流通基盤技術を活用しながら、パーソナルデータ管理に関するサービス、個人や社会にとって有益なエコシステムを提供することを通じて、安全なパーソナルデータ流通が可能な社会の実現、情報ビジネスの展開につなげていくという。