セールスフォース・ジャパン(以下、セールスフォース)は、日本のビジネスリーダー1,000人以上を対象とした調査「Untapped Data Research」を、Tableau事業の一環として実施した。
ビジネスリーダーは、データ活用がビジネスにとって重要であると認識しているものの、大多数がより良い意思決定とビジネスの成果を得るためにその力を活用できていないことが明らかになったとしている。
企業はデータの潜在能力を引き出せていない
- ビジネスリーダーの84%が、自社の意思決定においてデータが重要であると回答
- 55%が、ビジネス上の会話において、データが不確実性を減らし、より正確な意思決定を行うのに役立つと回答
企業がデータ活用のメリットについて同意している一方で、利用実態とは乖離があるという。例えば、大多数の企業は、重要なビジネス上の意思決定を行うために、実際にはデータを利用していないとしている。
- ビジネスリーダーの84%は、インフレなどの経済状況に合わせた価格設定を決定するためにデータを利用していない
- 新規市場参入時の戦略立案にデータを活用している企業は、わずか22%に過ぎない
また、データを活用して企業価値を高める機会も逸しているという。
- 10人中約9人(88%)のビジネスリーダーが、組織のダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)関連の方針について、データを活用していない
- 気候変動の目標策定の指針としてデータを活用しているビジネスリーダーは、わずか4%
不確実性の中で効率と信頼を生み出すデータ
- ビジネスリーダーの半数以上(51%)が、データにより、人々はビジネスに関連する重要な事項に集中できると考えている
- 61%は、データが意思決定の促進に役立つと考えている
- 半数以上(53%)が、データはビジネス上の会話において信頼を築くと考えている
- 約半数(46%)が、データはビジネス上の会話における個人的な意見やエゴの影響を最小化するのに役立つと考えている
データ価値を実現するために、企業はデジタルスキルのギャップを解消する必要がある
日本のビジネスリーダーは、流入するデータ、その最適な運用方法に関する知識、そして今後の戦略的投資に向けたデータの活用方法について苦心しているという。
- ビジネスリーダーの約3分の1(31%)がデータに関する理解不足を指摘し、その原因を複雑なデータや不十分なアクセスとしている
- ビジネスリーダーの4分の1以上(28%)が、データからインサイトを生み出す能力の欠如を指摘
- 約4分の1(23%)は、2026年までに2倍以上に増えると予想されるデータ量の対処に課題を抱えている
これらの懸念に対処するため、約半数(48%)の企業が、従業員向けのデータスキル開発および研修への支出を継続または増額する予定であると回答している。
同社は、従業員向けのデータリテラシー研修を実施しデータカルチャーを確立することで、ビジネス目標をサポートし、厳しい経済情勢下でのレジリエンスを向上させることができると述べている。
調査方法
2022年9月に、セールスフォースとYouGovの共同でグローバル調査を実施。サンプル総数は9,837名で、以下の国のあらゆる規模・業種の企業における上級・中間管理職、取締役、最高経営責任者、パートナー、オーナーなどのビジネスリーダーや意思決定者が対象となっている。国別サンプル数は以下の通り。
- シンガポール(1,102)
- インド(1,095)
- オーストラリア(1,072)
- 日本(1,026)
- イギリス(1,011)
- アメリカ(1,010)
- フランス(1,008)
- ドイツ(1,005)
- ブラジル(1,004)
- メキシコ(504)